三井情報開発がプロテオーム解析向け統合プラットホーム
エーザイと共同開発で製品化、データ解析からたん白質同定まで自動化
2004.12.22−三井情報開発(MKI)は、エーザイと共同でプロテオーム解析を行うための統合プラットホーム「Xome」(ゾーム)を開発、製品化した。質量分析装置(MS)から得られた大量のスペクトルデータを解析し、たん白質の同定および定量、アノテーション付加などを全自動で行うことができる。国産ソフトである強みを生かし、導入や使用に際してユーザーのニーズに合わせた技術サポートを提供していく。
最近、MSを使ったプロテオミクス/メタボロミクス研究では、いかに擬陽性データを排除して高速にたん白質を同定・定量するか、また同定された結果に対していかに生物学的な意味づけを行うかが大きな課題となっている。新製品のXomeはこうした要求に応えるシステムで、エーザイが新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクト「バイオインフォマティクスと融合した先進プロテオミクスプラットホームの創造」に基づいてMKIと共同で開発したもの。これに実装されたアルゴリズムは共同で特許出願中だが、製品としての著作権はMKIが有している。
Xomeは、MS装置から出力されたMS、MS/MSスペクトルデータからピークを検出し、データベースに基づいてたん白質の同定、定量計算を行う統合システム。解析エンジンとしてMascot(マトリックスサイエンス社)やオープンソースプログラムを使用することもでき、複数の結果をサマライズすることが可能。公共データベースを参照して、自動的にアノテーションを付ける機能も持っている。
また、波形解析エンジンとして、独自の「Mass Navigator」(マスナビゲーター)を組み合わせて利用することができる。これも、同プロジェクト内で共同開発されたものだが、擬陽性を減らすための機能を備えているので、たん白質を同定する精度が高い。既存のエンジンによる同定・定量結果をこちらで検証するといった使い方も可能だという。