ノーザンサイエンスコンサルティングが英国受託試験機関の窓口業務開始
試験管から動物実験まで低コストで実施、2機関と提携
2004.12.22−ノーザンサイエンスコンサルティング(本社・北海道千歳市、村上剛社長)は、英国の受託試験機関2社の国内における窓口業務を開始した。医薬品開発におけるADME(吸収・分布・代謝・排出)/毒性解析の支援技術・サービスを拡充する一環として取り組みをはじめたもので、インビトロ(試験管内)試験を行うエピステム社、インビボ(生体内)試験に強いノースウィックパークインスティチュート・フォア・メディカルリサーチ(NPIMR)のサービスを仲介する。
ノーザンサイエンスコンサルティングは、インフォコムをスピンアウトした3名によって今年3月に設立された企業で、ADME/毒性を核にした創薬研究ソリューションを積極的に展開していく方針を打ち出している。
今回窓口業務をはじめるエピステム社は、幹細胞研究の権威であるマンチェスター大学のクリストファー・ポテン教授を代表としており、動物やヒトの幹細胞標本を多数所有。小腸上皮細胞を使っての抗がん剤の薬効スクリーニングや皮膚細胞を使ってのUVダメージ、創傷治癒、毛根細胞を使った育毛剤薬効スクリーニング、抗がん剤および紫外線の腫瘍・幹細胞への反応など、最先端の技術を試験メニューとしてそろえている。
一方のNPIMRはロンドン大学医学部に属する研究機関であり、臓器移植や人工心臓手術、顕微鏡手術といった難しい術式の医師向けトレーニングなどを提供。そのトレーナーや施設を利用して製薬会社向けに動物実験のサービスを開始している。ラットのPK試験といった一般的なものから、ブタや羊などの大型動物を使った免疫抑制剤の効果試験、人工臓器の開発といった特殊な系にも対応できる。大学設備を利用するため、通常の臨床試験受託機関(CRO)の半額程度で良質の試験を実施できることが特徴だという。すべての試験はGLP対応が可能。
NPIMRの代表は、臓器移植の世界的権威であり、免疫抑制剤シクロスポリンAの開発メンバーだったコリン・グリーン教授。