インフォコムが加ファーマアルゴリズムの毒性予測システムを発売
構造式から3種類の毒性を予測、文献データベースも搭載
2005.03.04−インフォコムは、加ファーマアルゴリズム社が開発した毒性予測システム「ToxBoxes」の販売を開始した。化合物の二次元構造情報をもとに急性毒性や遺伝毒性などを予測するとともに、入力構造と類似する化合物の文献データとリファレンス値を合わせて表示することができる。新薬候補物質の探索の段階でシミュレーションによってふるい落としをかける“インシリコ創薬”のツールとして役立つ。
ファーマアルゴリズムは、定性的・定量的な値を取り扱う統計的手法と、化合物構成を説明するフラグメンタル手法を利用し、構造と活性/構造と物性の相関モデルを作成するソフトウエアを開発している専門ベンダー。インフォコムは2003年6月に代理店契約を締結し、相関モデル構築ソフトやADME(吸収・分布・代謝・排出)予測ソフトなどを販売している。
今回のToxBoxesはファーマアルゴリズムの新製品で、毒性予測モデルがあらかじめ組み込まれている。現在提供されているモデルは、エイムズ試験における遺伝毒性、急性毒性(LD50)、副作用−の3つ。それぞれ、モデルをつくるためのトレーニングセットとして、遺伝毒性モデルは約8,000化合物、急性毒性は10万件のデータを利用している。副作用は、過去の論文情報をもとに任意の化合物が各臓器や器官(血液、消化器系、肝臓、心臓・血管系、腎臓、肺)に対して副作用をもたらす確率を計算できる。
トレーニングセットのもとになった情報がデータベース化されていることが特徴で、予測を行うとともに、その背景となるデータが文献情報やリファレンス値として示され、さらに毒性と関係が深いと思われる部分構造が色分けして表示されるので、研究者は次のステップへ向けての考察を深めることが容易になるという。
入力となる二次元構造はSMILES形式やMOLファイル形式で読み込むことができるほか、ToxBoxesの中からChemDrawやISIS/Drawを起動して直接作図することも可能。