2005年春季CCS特集:日本総合研究所

解析事例充実へ、新コンサルサービスを提供

 2005.06.27−日本総合研究所は、今年の3月末に「J-OCTA商用版」の出荷を開始した。経産省プロジェクト「高機能材料設計プラットホームの開発」(通称・土井プロジェクト)を経て、予約購入者を募りながら3年をかけて製品化したもの。この間に受託解析業務なども手がけてきたため、発売直後とはいえすでにかなり具体的な適用事例が蓄積されている。年内には30社程度まで販売実績を伸ばしたい考えだ。

 ベースになるフリー版のOCTAは、解析エンジン群を機能強化した2005年版がこのほどリリースされたため、同社では10月にバージョンアップを行ってこれに対応する計画。合わせて、J-OCTA特有のシナリオ機能のセキュリティ強化などにも取り組む。

 新しい試みとしては、期間限定ライセンスを導入する。通常のJ-OCTAは永久ライセンスだが、自分たちでシステムを利用して実際の研究テーマで評価してみたいとの要望に応え、3−6ヵ月間の使用権をサポート付きで発行するもの。導入への大きなステップになると期待される。

 また、実際の解析事例をひな型として利用できる事例データベースを充実させるための新戦略として、公開を前提に安価にコンサルティングを提供する新サービスを開始した。事例データベースは、複数のエンジンを組み合わせた一連の解析手順を具体例として蓄積したいわばノウハウの固まりであり、これが拡充されることは多くのユーザーに歓迎されるだろう。