米リアクション・デザインが新たに菱化システムと代理店契約

詳細化学反応解析、次世代デバイス開発やナノテク・環境関連での伸びを期待

 2005.04.13−複雑な化学反応機構をシミュレーションする特異な技術を持つ米リアクション・デザイン(本社・カリフォルニア州、バーニー・ローゼンタール社長兼CEO)は、対日戦略をあらためて強化する方針を打ち出し、新たに菱化システムと販売代理店契約を締結した。ナノテクノロジー領域のミクロからバルクケミカルのマクロレベルまでの気相および固体表面における化学反応を精密に解析できる「CHEMKIN」と「KINetics」の普及を加速させる。とくに、次世代の半導体デバイス開発やナノテク・環境関連などの先端化学プロセス開発を重点領域として拡大を図る。三菱化学のグループ会社で科学技術計算に強い菱化システムとの提携で市場拡大を狙う。

 リアクション・デザイン(RD)は1995年に設立したベンダーで、米サンディア国立研究所で開発されたCHEMKINの独占開発販売権を取得し、事業を行っている。化学物質の物性データベースを用いて、反応器内での素反応ベースの詳細な化学反応解析を行えることが特徴。また、汎用熱流体解析ソフトにこの化学反応モデルを組み込むために利用するツールがKINeticsである。反応器がシンプルで反応が複雑な場合はCHEMKIN、反応器の構造が複雑(内部での熱や物質の流れが複雑)な場合はKINeticsという具合に使い分けるという。

 国内では熱流体ソフトSTAR-CDの開発元であるシーディー・アダプコ・ジャパンが、KINeticsとの組み合わせを含めたRD製品の国内販売を一手に行っている。とくに、エンジン内の燃焼モデル開発や排気までのネットワークモデリング、排ガスの触媒処理解析などの自動車分野での実績が高い。

 しかし、近年では化学気相成長法(CVD)の反応器モデルなど半導体分野での伸びが著しく、そのテコ入れを図るためと、化学プロセス分野での普及が欧米に比べて遅れているとの判断から、菱化システムを新たな代理店として起用することにした。日本法人のリアクション・デザイン・ジャパン(本社・東京都文京区、三森輝夫代表取締役)が代理店2社と協力して既存分野の深耕と新規分野の開拓を進める。

 とくに、菱化システムは分子シミュレーションなどの計算化学分野でも実績豊富だが、先端デバイス開発などの反応モデルでは、材料の物性データが存在しないためにCHEMKINを走らせることができない場合もある。その際に、量子化学計算で物性を予測したり、反応速度を決める定数を求めたりすることが可能であり、その意味でも菱化システムとの提携は相乗効果を生む可能性が高い。また、KINeticsは昨年から熱流体ソフトのFLUENTにも組み込めるようになったが、その販売面での貢献も期待できるという。

 その他、日本法人としては、複雑な反応系のモデル化にともなう専門技術サービスを充実させることに加え、大学向けの教育ライセンスの販売にも力を入れたいとしている。