ノーザンサイエンスが米TSRLのADME受託試験を仲介

経験豊富なスタッフ武器に、生物薬剤学的評価と薬物動態解析サービス提供

 2005.08.10−ノーザンサイエンスコンサルティング(NSC、本社・北海道千歳市、村上剛社長)は、米TSRL社が提供しているADME(吸収・分布・代謝・排出)受託試験の国内における窓口業務を開始した。生物薬剤学的評価と薬物動態解析の大きく2つのメニューがあり、経験豊富なスタッフによる信頼性の高い試験データが得られることが特徴。

 NSCは、受託試験機関との提携としては、昨年11月からインビトロ(試験管内)試験を得意とする英エピステム、インビボ(生体内)試験に強い英ノースウィックパークインスティチュート・フォア・メディカルリサーチ(NPIMR)のサービスを仲介しているが、今回はそれらに加えて試験範囲の拡大を図ったかたちになる。

 TSRLが提供する生物薬剤学的評価サービスは、溶解度・溶出試験や膜透過性試験などを通して医薬候補化合物の物性の評価を行うというもの。開発の早期段階で律速因子を判断できるため、新薬開発の期間とコストの削減につながる。

 一方の薬物動態試験サービスは、細胞や動物を使って代謝試験やバイオアベーラビリティの評価を行う。系統立ったアプローチによって、問題点をスピーディーに洗い出すことが可能。

 どちらの試験でも、定型のプロトコルでの実施にとどまらず、TSRLの専門家とディスカッションをしながら最適の試験をデザインできるのが特徴である。米食品医薬品局(FDA)への新薬申請にともなうBCS(バイオファーマシューティクスクラスフィケーションシステム)試験の実施やFDA提出書類のためのデータ分析やデータ解釈をサポートしてくれる。

 TSRLの代表であるゴードン・アミドン教授(ミシガン大学)は、米薬学会(AAPS)の会長を務めた経験もあり、FDA申請の際に参照として添付するBCSの提唱をしたことでも知られている。そうした実績にともなう専門的なノウハウが同社の受託試験事業にもフィードバックされており、欧米では10年以上にわたって多くの企業が抱えるADME関連の問題を解決してきたという。