2005年秋のCCS特集:アクセルリス
ミドルウエア戦略で統合化推進、全社システムとして提案強化
2005.12.08−アクセルリスは、生命科学系の「ディスカバリースタジオ」(DS)と材料科学系の「マテリアルスタジオ」(MS)からなる幅広い製品ラインアップを生かすとともに、ミドルウエア製品「パイプラインパイロット」(PP)によるシステム統合を通してソリューションを拡大。製薬会社や材料メーカーがR&D戦略の中心に据える全社レベルのシステムとして提案活動に拍車をかける。
統合の基盤となるPPは、他社のソフトもラッピングしてコンポーネントとして扱い、データの流れとともにコンポーネントをつなぐことによってワークフローの構築と共有化を実現することができる。買収したサイテジック社の製品だが、他社製品を呼び込むため、サイテジックはいまもアクセルリスとは独立した組織として運営されている。
実際、サイテジックとしてISV(独立系ソフトベンダー)プログラムを推進しており、トライポスをはじめとする十数社がアライアンスパートナーとなっている。アクセルリス自身もPPを製品開発体系の基盤に据え、自社のさまざまなソフトがミドルウエアとしてのPPを介して連携する仕組みを導入していく計画である。
その中で、来年1月には最新版のDS 1.5とMS 4.0がリリースされる。DS 1.5はPPが組み込まれた最初のバージョンで、CATALYSTやCerius2、Insight2、QUANTAなどの従来製品で定評のあった高機能な解析ツールをPPで統合して利用することが可能。来年7月に予定されているDS 1.7では、誘導適合(インデュースドフィット)対応のドッキングシミュレーションも実現される。
一方のMS 4.0では、同社がこれまでに提供してきた材料設計支援機能のウィンドウズ環境への全面移行がほぼ完了した。今後はナノテク関連など新しい機能の追加が期待される。ナノテクコンソーシアムというかたちで開発中だが、製品化へのフィードバックの第一弾としてナノ構造ビルダーが4.0に搭載された。来年早々にはナノバイオ関連の新コンソーシアムの立ち上げも予定されているという。