2005年秋のCCS特集：インフォコム

ドッキング解析で実績リード、バイオ系では自社パッケージ拡大

　2005.12.08−インフォコムは、新薬開発を支援するシステム群を幅広くラインアップ。市場で業界標準的な実績を持つ海外の最先端ツールから自社開発パッケージ、受託解析サービスまで、事業内容も広がってきている。

　とくに実績豊富なのが米シュレーディンガー製品。たん白質立体構造のホモロジーモデリングツール「Prime」とドッキングシミュレーションソフト「Glide」を組み合わせたシステムは、薬物候補化合物と受容体たん白質との誘導適合（インデュースドフィット）に対応したドッキング解析が可能なことから、市場で高い評価を得ている。大量のスクリーニングを高速に行う目的で、海外では数100本という単位で、国内でも数10本単位で導入されるケースが増えてきている。

　また、新製品として販売開始された「CombiGlide」は、標的たん白質の立体構造を考慮したコンビナトリアルライブラリーをつくり上げるツールで、複数のライブラリーを使って基本骨格に構造修飾を行いながらドッキングシミュレーションを実施して合理的なライブラリーをデザインすることができる。ドッキングシミュレーションの新しい応用としても注目される。

　シュレーディンガーでは、これらのソフトを単独で提供するだけではなく、用途に合わせて組み合わせたソリューションパッケージも用意しはじめた。GlideとPrimeのインデュースドフィットソリューションのほか、GlideとQSiteのQM／MMドッキングソリューション、GlideとQikPropとLiaisonを組み合わせたQSARソリューションなどがある。

　シュレーディンガー製品は業界標準のスクリプト言語であるPythonをサポートしており、これらのソリューションもPythonで統合化されて1本のソフトのように使うことができる。これを応用して、ユーザープログラムや他社のソフトと連携させることも容易だという。

　バイオ系では自社パッケージの「オートネットファインダー」が販売好調で、米アリアドネ社のパスウェイ解析ソフトに組み込まれるなどの実績も出てきている。