2005年秋のCCS特集:ウェイブファンクション
学生版強化で教育向け販売拡大、サポート活動にも力
2005.12.08−ウェイブファンクションは、分子モデリングシステム「Spartan」のラインアップを拡大しており、教育用途で高い実績を築いてきている。学生向けの安価な製品がそろったことで本格的に教育で活用されるようになり、一度に200本以上の案件も出てきているという。
Spartanは、企業での研究用途に利用できる最上位の「Spartan '04 フルエディション」、スペクトル予測機能やQM/MM手法による溶媒効果の考慮、励起状態の計算などのハイエンドな機能を除いた「Spartan '04 エッセンシャルエディション」、そして教育用途に特化した「Spartan スチューデントエディション」、分子模型代わりに利用できる「Spartan Model」というラインアップがそろっている。
スチューデントエディションは学生価格が1万2,000円、Spartan Modelは5,000円と安く、大量に購入しやすい価格体系を実現している。とくに、Spartan Modelは米国で発売されたばかりの新製品で、分子モデルをパソコン内で組み立てるだけでなく、付属のデータベース内にある化合物については電荷やIRスペクトル、静電ポテンシャルなどの表示も可能。 Spartan用のファイルも読み込める。英語版はすでに出荷しているが、マニュアルの日本語化がまだのため、来春から本格的に販売する予定という。
また、同社の日本支店では、サポートの一環として、Spartanの基本的な操作を録画したムービーファイルをホームページで公開した(http://www.wavefun.com/japan/ws-note/index.html)。これは、開発者であるウォーレン・ヒーリー社長(カリフォルニア大学名誉教授)が実施している教育者向けハンズオンセミナーの演習部分を抽出したもので、構造最適化、遷移状態の探索、配座解析、CSD探索、振動解析、エネルギープロファイル解析、イオンとラジカルなど11項目の演習における実際のソフトの操作をみることができる。さらに講義の部分を加えて、書籍にする計画である。