島津製作所とNECがプロテオミクス研究支援ソフトを開発

二次元電気泳動法による実験データを統合管理、ウェブ環境で情報共有促進

 2005.10.19−島津製作所とNECは17日、プロテオミクス研究のための情報を一元管理するソフトウエアを開発し、18日から「SOLPHI」(ソルフィ)の商品名で販売すると発表した。二次元電気泳動装置によるゲル画像の取得・管理から質量分析装置を使ったスペクトル分析まで、組織サンプルからたん白質を同定するまでの一連の研究プロセスにおけるIT(情報技術)プラットホームとしての機能を果たす。NECがOEM供給し、島津製作所ブランドで販売される。ソフト価格は10ユーザーまで300万円。年間20本の販売を見込んでいる。

 SOLPHIは、たん白質研究のための実験情報や測定データを一元管理し、研究グループ全体での情報共有を促進するためのシステム。とくに、これまでは二次元電気泳動による実験データを一括して管理することが困難だったが、SOLPHIのデータベース機能によってデータ間の親子関係に従って簡単にデータ参照を行うことが可能。システムはウェブ対応なので、ネットワーク接続された個々のパソコンからデータの登録や検索が可能であり、実験担当者しか比較検討できなかった実験データを全員で共有することが可能になる。

 二次元電気泳動ゲル画像やマススペクトルデータ、MASCOTサーバー(マトリックスサイエンス社製)の検索結果などを、個々の研究者が容易に引き出すことができる。

 システム自体は、NECが今年の4月に開発した「BIOPRISM」をベースにしており、島津製作所の機器との連携、ユーザーインターフェースの改善などを共同で行った。販売元は島津製作所になるが、保守サービスについてはNECが担当する。島津製作所では、今回のシステムを武器にプロテオミクス解析装置でのシェア拡大を図ることにしている。