FQSがADMEデータベース検索サービスのコンテンツを拡充

エステラーゼなど4酵素の情報を追加、利便性も向上

 2006.03.28−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は27日、ASP(アプリケーションサービスプロバイダー)形式で提供しているADME(吸収・分布・代謝・排出)データベース検索サービスのコンテンツを拡充し、バージョン2として4月3日から提供開始すると発表した。これまでのチトクロームP450とトランスポーターたん白質情報に加えて、新たに4種類の酵素情報を追加している。新薬開発に役立てることができ、利用料金は10ライセンスまでのフルコンテンツ同時使用権で157万5,000円。今後1年間に30件の新規契約を見込んでいる。

 サービスの名称は「ADMEデータベース バージョン2」。薬物動態分野の著名な研究者であるクロアチア・ザグレブ大学のレンディック教授らが文献などから収集したデータをもとにしたもので、今回は新たにエステラーゼ(エステル類を分解する酵素)、UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ(グルクロン酸を抱合する酵素)、スルホトランスフェラーゼ(硫酸転移酵素)、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(解毒酵素)の4種類の酵素の情報をデータベースに加えている。これにより、主要な薬物動態関連のたん白質・薬物情報を網羅することができたという。

 登録データ件数は、P450(薬物を対外に排出されやすい形に代謝する酵素)関連が1万5,567件、ヒトトランスポーター(薬物を輸送するたん白質)関連が9,687件、新しい4酵素関連が1,862件で、合計は2万7,116件。この分野では世界最大規模のデータベースになる。データの更新頻度も、従来の年2回から4回へと増やした。

 検索はウェブブラウザーを使って簡単に行うことができるが、今回のバージョン2では複数のデータベースを同時に検索できる機能や検索結果を並べ替える機能などを追加し、利便性を向上させている。

 なお、年間利用料金の詳細は、企業・国公立研究機関向けの同時使用1−10ライセンスで、ヒト薬物代謝酵素データベース(P450とその他のたん白質)で105万円、同じくキネティックデータオプション付きが126万円、ヒトトランスポーターデータベースは52万5,000円、全データベースパックで157万5,000円、同時使用11ライセンス以上の場合、ヒト薬物代謝酵素データベースが157万5,000円、同キネティックデータオプション付きが189万円、ヒトトランスポーターデータベースは78万7,500円、全データベースパックで210万円。教育機関向けは全データベースパックのみで、1−10ライセンスが52万5,000円、11ライセンス以上は78万7,500円。

 同社では、今回のデータベースをきょう28日から仙台市の宮城スポーツセンターで開催される日本薬学会の付設展示会に出展する。