富士通九州システムエンジニアリングがSKIN-CADの最新バージョン5.0

経皮吸収シミュレーター、データ解析機能を強化

 2006.07.04−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、薬物の経皮吸収シミュレーションソフト「SKIN-CAD」の最新バージョン5.0を発売した。九州工業大学情報工学部の東條角治教授の監修のもと同大学発ベンチャーであるバイオコム・システムズが製品化したもの。GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)が一新され、操作性が高まったほか、シミュレーションに必要なパラメーターを決定するためのデータ解析機能が追加されている。ソフト価格は企業向け157万5,000円、大学・官公庁向け52万5,000円。

 SKIN-CADは、薬物の皮内拡散や血中動態にかかわるパラメーターをもとに、皮膚透過量や血中濃度を予測するソフト。経皮吸収型製剤の臨床性能予測や投与計画の最適化などに利用することができる。パラメーターの調整により、全身作用薬の血中動態、局所治療薬の皮下移行性、スキンケア医薬品の皮膚浸透性など、目的に応じた解析結果を得ることが可能。

 今回のバージョンアップでは、非線形最小二乗法プログラムを追加し、静脈注射をした時の血中濃度推移から体内動態パラメーター(コンパートメントモデル)を決定するためのカーブフィッティング機能、および皮内(角質層内)薬物濃度分布から拡散係数・分配係数を求めるためのFickの第2法則へのカーブフィッティング機能を実現した。また、インビトロ皮膚透過曲線に対する直線回帰プログラムにより、定常状態の探索、透過速度や時間遅れの決定、拡散係数・分配係数の算出が容易に行えるようになった。

 さらに、反復投与シミュレーションにおいて、製剤適用時間や適用面積を設定したり、薬物動態パラメーターを計算したりするなどの機能強化も図られている。