NSCがデンマーク製の最新ドッキングシミュレーションソフト

高いドッキング精度を実現、低価格武器に買い増し狙う

 2006.08.18−ノーザンサイエンスコンサルティング(NSC)は、デンマークのモレグロ社(本社・オーフス、レーン・トムセンCEO)と販売代理店契約を締結し、標的たん白質と薬物分子との結合性を解析するドッキングシミュレーションソフト「Molegro VirtualDocker」(モレグロ・バーチャルドッカー)の国内販売を開始した。新しい数学的アルゴリズムを採用し、既存の競合製品よりも高いドッキング精度を実現している。ライセンスも、1ユーザーで年間150万円以下と普及価格(アカデミックはその10分の1程度)を設定しており、すでに別のドッキングソフトを持っているユーザーからの追加購入も狙っていく。

 モレグロ社は昨年に設立されたばかりのベンダーで、オーフス大学のバイオインフォマティクス研究センター内にオフィスを構えている。

 今回のVirtualDockerは、たん白質と薬物分子との相互作用を予測するための統合プラットホームで、結合させる分子の前処理からたん白質の結合部位の決定、分子の結合モードの予測まで、ドッキングプロセスのすべてをトップレベルの精度で実施することができる。

 中枢のドッキングエンジンは“MolDock”と呼ばれ、新しい“ガイデッド・ディファレント・エボリューション”ハイブリッドサーチアルゴリズムを採用。キャビティ予測に最適化手法を組み合わせているので、高速かつ高精度なポテンシャルバインディングモードの同定が可能になっている。

 モレグロ社のベンチマークによると、競合製品であるGlideやSurflex、FlexXなどよりも高い87%というドッキング精度を引き出しているという。

 また、使いやすさも特徴で、ウィザード機能によってドッキングのセットアップと実行を容易に実施できる。計算結果の可視化や解析もビジュアルに行うことができるので、結果を理解しやすい。

 ソフトウエア自体は、Pythonで記述されているため、マルチプラットホームでの動作に対応。Windows、Linux、MacOSXのいずれでも利用できる。

 NSCでは、日本語のマニュアルやチュートリアルを用意。1ヵ月間の無償トライアルサービスも実施し、広く評価を求めていく考えである。