2006年秋CCS特集:菱化システム
新領域へ積極展開、インフォマティクス系の品揃え強化
2006.12.13−菱化システムは、薬物分子設計を中心にした統合CCS製品の「MOE」(加CCG)で実績を伸ばしてきたが、最近は新しい領域にも積極的に手を伸ばしている。化学系から生物系へ、基礎研究者から実験研究者向けへ、計算系から情報系のシステムへと間口を広げており、化学・製薬・材料メーカーの研究部門に対してさらなる浸透を図っていく。
とくに、ライフサイエンス分野では、インフォマティクス系のラインアップ強化が目立つ。バイオ実験データを簡易的に管理できるようにする「LabCollector」(仏アジャイルバイオ)、15万件以上のデータ量を持つたん白質相互作用データベース「NetPro」(印モレキュラーコネクションズ)、DNAチップ解析ソフト「Partek」(米パーテック)などが好調。
とくに、Partekはアフィメトリックスの認定製品として利用者が多く、新しいエクソンアレイの解析ソフトとしても期待されている。
また、ケムインフォマティクス製品の「CBIS」(米ケムイノベーション)もバイオ分野での引き合いが増えている。化合物系のデータベースはMDL製品を使い続けながら、バイオ系のデータは新たにCBISで管理したいというユーザーもいるという。細胞株やたん白質、DNAなどの試料を管理するために必要なモジュールをあらかじめ組み込んで、生物分野向けにパッケージ化して提案するケースも増えている。
一方、今年から本格的に開始した「CHEMKIN」も大型商品に育てたい一つだという。燃焼や触媒反応、CVD(化学気相成長法)など、化学反応をともなうプロセスを精密に解析するシミュレーションソフトで、CCSとはやや異なる分野のシステムだが、将来的には量子化学計算と統合される可能性があり、長期的には事業としてのシナジーが期待される。
このため、開発元の米リアクションデザインと10年間という異例の長期代理店契約を結んだ。来年からは定期トレーニングコースも設けることにしている。