菱化システムが仏アジャイルバイオのLabCollectorを発売
バイオ研究グループ向けLIMSソリューション、手軽に情報共有促進
2006.10.31−菱化システムは、仏アジャイルバイオ(本社・パリ、ピエール・ロドリゲス社長)と販売代理店契約を締結し、バイオ実験データを簡単に管理できるソフトウエア「LabCollector」(ラブコレクター)を販売開始した。細胞株やプラスミド、プライマー、実験動物など管理項目に合わせてモジュール化されており、使いやすいウェブインターフェースを取り入れているため、研究グループ単位で手軽に情報の集約と共有を図ることができる。ソフト価格はフルセットの買い取りで53万7,600円(アカデミック15万9,600円)。ユーザー数の制限はない。
アジャイルバイオは、パスツール研究所出身の研究者らが2002年に設立した企業で、生物学とインフォマティクスの両方の知識を持つのが強みとなっている。バイオIT(情報技術)分野のプロフェッショナルサービスも提供している。
LabCollectorの最新バージョンは3.9。データベースのフィールド名称(データ項目名)は英語になるが、データ自体は日本語を入力したり、日本語で検索したりすることができ、またウェブ画面のデザインにも日本語を使用することが可能。システムは、MySQLやアパッチなどのオープンソースを利用して構築されているが、Windows版には専用のインストーラーが用意されており、専門知識がなくても導入・設定・運用が容易だという。MacOSXやLinuxにも対応している。
管理する対象ごとにデータベースがモジュール化されており、トップページからわかりやすいアイコンをクリックするだけで、専用のページで入力や検索を行うことができる。具体的には、保管場所情報や使用履歴などを含めた細胞株の情報管理、制限酵素切断部位の編集などを含むプラスミド情報の管理、プラスミドや配列情報に対するマッチング検索に対応したプライマー情報の管理、DNA/RNA/たん白質の配列情報管理、試薬ベンダー情報や実験情報と連動した抗体情報の管理、保管場所や使用履歴を含めた検体情報の管理、構造式を含む化合物データの管理、保管場所や残量情報を含めた試薬管理、メンテナンス情報を含めた分析機器などの機器・器具類の管理、実験手順書や文献情報などの電子ファイルの管理、ケージごとの実験動物のデータ管理、グループ内の研究者や取引業者などのアドレスブック管理−といった機能を持つ。これらのモジュールは今後も順次追加されていく。
データ項目のフィールド追加も、ウェブ画面上の設定から簡単に行うことができ、研究内容に合った形で自由に変更を加えることが可能。データバックアップやバーコード出力などの機能も備えている。試薬などの在庫が減少したり、機器のメンテナンス時期が近づいたりした際に、アラートを出すこともできる。
菱化システムでは、LabCollectorを生物系研究グループのための簡便なLIMS(研究所統合情報管理システム)ソリューションとして販売していく。同社としては幅広い要望に対応できる製品群をそろえており、本格的なシステム構築を望むユーザーには米ケムイノベーションのCBISなどを提案することにしている。