アクセルリスが生命科学系Discovery Studio 1.7を出荷開始

ファーマコフォアモデリング機能強化、PerlスクリプトとPPの連携可能に

 2007.02.15−アクセルリスは、生命科学向け統合コンピューターケミストリーシステム(CCS)の最新版「Discovery Studio 1.7」(ディスカバリースタジオ、DS1.7)を製品化し、このほど国内出荷を開始した。以前のUNIX版製品群からWindows環境へと機能の移行が一段と進んだほか、ファーマコフォアモデリング機能の強化、スクリプト言語を利用したカスタマイズ機能の搭載、さらに操作系が刷新されて使いやすさが大幅に向上したことが特徴。新規の販売とともに、旧製品の利用者の切り替えも進めていく。

 アクセルリスのライフサイエンス製品群のDSへの移行・統合は、7−8割の段階まで進んできたという。ここ1−2年でようやくそのペースが加速しはじめたが、それはサイテジックを買収し、パイプラインパイロット(PP)をプラットホームに採用したことが大きな要素になっているという。

 今回のDS1.7では、UNIX版のCatalystのファーマコフォアモデリング機能、CHARMmのシミュレーション機能が多く統合されたが、実際にはPPがこれらの機能を部品化してDSに組み込むという役割を果たしている。

 具体的には、既知の活性化合物の情報からファーマコフォアモデル(ある薬理活性を示すために必須の構造的特徴をモデルとして表現したもの)を作成し、標的たん白質の活性部位の構造との相互作用を調べる“構造ベースファーマコフォア解析”(SBP)までを一貫して行うことが可能。 Catalystの機能を単純に移行させるのではなく、最新の理論や手法を取り入れて機能強化が図られている。

 また、生体分子のモデリングでは、CHARMmをベースにしたたん白質の側鎖とループ部分の新しいリファインメント理論、任意の塩基配列からDNA/RNAの構造を組み立てる核酸構造構築機能などが組み込まれた。

 一方、新しいカスタマイズ機能は、標準的なスクリプト言語であるPerlをサポートしたもので、データ解析手順を自動化することが容易になるなど、エキスパートユーザーにうれしい機能だという。PP環境にシームレスにアクセスできるので、PPのワークフローとPerlスクリプトとの間でダイレクトな情報のやり取りが可能になる。

 同社では、次期バージョンのDS2.0を年内にも市場投入したい考えだが、これによってほぼ移行が完了する予定。その後は新機能の追加に力を入れ、ファーマコフォアプロファイリングとデータベース検索、フレキシブルドッキングなどで新しい技術を積極的に採用していく。新しい力場のサポートや最新の高速計算環境への対応なども図ることにしている。