ターボリナックスが携帯型Linuxマシン「wizpy」の発売日・価格を決定

詳細機能を公開、専用オンラインサービスも開始へ

 2007.02.01−ターボリナックスは31日、手のひらサイズの携帯型Linuxマシン「wizpy」(ウィズピー)の発売日・製品価格などを発表した。自社のオンラインショップで2月23日から、一般店頭では3月9日に発売する。自分のパソコン環境を丸ごとウィズピーに格納しておき、任意のパソコンに接続することで、どこででも自分のパソコン環境を立ち上げて利用することができるというもの。コンシューマー向けを先行させつつ、パートナーと協力して案件ベースで企業向けへの展開も進める。初年度5万台の出荷を目指す。

 ウィズピーは、フラッシュメモリーを内蔵した携帯型メディアプレーヤーにLinuxを組み込んだイメージの製品。単独でメディアプレーヤーとして音楽や動画、FMラジオなどを楽しむことができ、パソコンに接続するとそのパソコンをLinuxマシンに変身させる機能を持つ。

 ラインアップは、メモリーサイズが2ギガバイトのホワイトモデルが2万9,800円、4ギガバイトモデルはホワイトとブラックがあり、3万3,800円となっている。31日から自社オンラインショップで予約受付がはじまっている。

 同社の矢野広一社長は、「昨年11月の発表以来、携帯音楽プレーヤーにLinuxを入れただけとか、USBメモリーにLinuxを載せただけとか一部で言われているが、実際にはそのような単純な商品ではなく、動作速度・機能面など技術的には開発はかなり難しかった」と話す。また、「Linux業界はほとんどがサーバー分野に特化してしまったが、当社はデスクトップ分野から絶対に撤退したくない。Windows支配の構図に挑戦し続けたい」と開発にかけた思いを語る。

 ウィズピーは、パソコン外部からLinuxを起動することで、“パソコンにインストールする”という作業を取り払ったことがミソ。友人・知人のパソコンを借りて動かす場合も想定しているため、セキュリティの観点からホストになるパソコンのハードディスクはマウントされず、パソコンの中はのぞけない設定になっている。パソコンのハードディスク内にイメージ領域を作成し、それをウィズピー側から利用することはできるが、逆にWindows側からはその領域にはアクセスすることができない。このため、基本的には、データファイルはウィズピー内あるいはサービスとして用意されるネットワークストレージ内に保存するかたちになる。

 また、ウィズピーはパソコンのUSBポートに接続して立ち上げるが、実際にはUSBタイプのCD-ROMをエミュレーションしているので、あらかじめパソコン側のBIOSで起動デバイスの設定を変更しておく必要がある。ただ、一般的なパソコンのBIOSでは内蔵CD-ROMが優先される設定になっているため、起動専用のCDを添付しておき、それを経由してウィズピーを立ち上げるという方法もサポートされる。

 また、発売に合わせて専用オンラインサービス「wizpyクラブ」も提供する。ユーザー登録をすると、500メガバイトのネットワークストレージ、セキュリティアップデート、追加プラグインソフトウエア(有償・無償)、ソーシャルネットワークサービス(SNS)を1年間無料で利用できる。2年目からの料金は月額400円に設定する予定。コンテンツ配信など、新しいサービスの追加も計画されている。