ElsevierMDLが買収の件で日本の顧客向けにコメント

ポジティブな側面を強調、10月1日から新体制へ

 2007.08.25−ElsevierMDLが、米シミックスに買収されることに関して、日本の顧客向けにコメントを発表した。本社のラース・バーフォドCEO、ならびに日本法人のトム・ブラッカダー代表から出されたもの。顧客に対してもMDLにとっても、非常にポジティブな変化であることが強調されている。

 バーフォドCEOのコメントによると、今回の買収手続きは10月1日以前に完了する予定だという。つまり、10月から新体制に移行するという意味だと思われる。そして、「この2社の合併は顧客のみなさまにとって新たに重要な価値をもたらすことが期待される」とし、(1)いままでよりもいっそう広範かつ統合されたソフトウエアとコンテンツが提供されることによって顧客の意思決定が促進されること、(2)運用・開発・サポートのためのより強力なパートナーのエコシステム、(3)より優れたグローバルセールスおよびカスタマーケア、(4)Symyx ToolsおよびSymyx Labsなどの研究サービスとの相乗効果−などの点をあげている。

 また、「シミックスとMDLは、エルゼビアとの協力関係を維持し、これまで通りにCrossFire BeilsteinとPatent Chemistry Databeseを含むCrossFireデータベースの利用を続けてもらえる」としている。

 一方、日本法人のブラッカダー代表のレターでは、「今回のエキサイティングなニュースに私からも一言付け加えさせてもらいたい」とし、「私たち日本法人は、以前のMDLのCEOであったスティーブン・ゴールドビーが設立し率いたリーディングカンパニーであるシミックス社との組み合わせにより、顧客により良いものを提供できる機会を得たことは、たいへんに喜ばしいことだと感じている」とコメントしている。

 国内では、日本ユーザーグループの年次ミーティングが9月12日と13日に東京・北品川のホテルラフォーレ東京において開催される。シミックスのゴールドビー会長も急きょ来日、出席する予定となっており、この場で今後の方向性がある程度具体的に示される可能性もある。発言に注目したい。