デルが顧客セグメント別ブランド戦略

スモールビジネス向け“Vostro”を発表、サービスもパッケージ化

 2007.07.12−デルは11日、社員100人以下のスモールビジネスユーザーを対象とした新しいブランド「Vostro」(ボストロ)を立ち上げたと発表した。6月27日にはコンシューマー向けのブランドリニューアルを発表しており、これと合わせて顧客セグメントに特化したかたちでのデルの新しいブランド戦略が明確になった。

 今回の新ブランド投入により、大企業・中堅企業向けの「OptiPlex」(デスクトップ型)と「Latitude」(ノート型)、個人事業者から中小企業向けの「Vostro」(デスクトップ/ノート共通)、コンシューマー向けの「Inspiron」(デスクトップ/ノート共通)と「XPS」(ハイエンドのデスクトップ/ノート共通)−というラインアップで製品が整理された。

 これまでは、スモールビジネス向けとコンシューマー向けは製品が共通で、デスクトップ型の「Dimension」、ノート型の「Inspiron」という構成だったが、それぞれの顧客セグメントにフォーカスした製品づくりを行うことにしたもの。

 とくに、今回の「Vostro」(ラテン語であなたのものという意味)は、ハードウエアの名前を変えただけでなく、顧客ニーズを高次元で満足させるためのサービスも一体化したソリューションとして提供されることがポイントになる。具体的には、標準で24時間/365日の電話サポート、デルコネクト(リモートデスクトップでトラブル解決するソフト)やデルサポートセンター(サポート情報を集約したソフト)などのサポートツールを提供。さらに、オプションとして大企業向けと同様のサポートサービスを用意しているが、それらも中小ユーザーが導入しやすいようにまとめてパッケージ化し、「ビジネスケア」、「ビジネスケアプラス」、「ビジネスケアプレミアム」として提案できるようにした。

 ハードウエアとしては、デスクトップ型でミニタワーとスリムタワーの2機種、ノート型はディスプレーのサイズ(14.1インチと15.4インチ)やCPUの違い(AMDおよびインテル)で3機種がある。カスタマイズの内容もスモールビジネス向けに工夫しているほか、コンシューマー向けのようにいろいろな評価版ソフトがバンドルされるということがないようになっている。

 一方、6月27日に発表されたコンシューマー向け製品は、筐体自体はVostroと共通だが、Vostroがブラック(プロフェッショナルを意識した色だという)なのに対して、シルバーを基調としたデザインを採用している。ノート型は8色のカラーバリエーションも用意した。

 ハイエンドのXPSでは、発売中のゲーマー向け最強デスクトップ「XPS720」、ノート型でのゲーム向け最高峰となる「XPS1710」に加えて、高性能でありながらモバイル性を追求した「XPS1330」(ディスプレーサイズ13.3インチ)が新製品として発売されている。