マイクロソフトがPLAN-Jの3年目に当たる新年度経営方針

2つの原動力でさらなる成長、ワーク/ライフスタイル両面での革新重視

 2007.07.10−マイクロソフトは9日、都内で日本法人のダレン・ヒューストン社長らが会見し、7月からの新年度経営方針を発表した。日本独自に推進している経営計画「PLAN-J」の3年目に当たるが、家庭とオフィスにおける利便性・生産性の向上に関する取り組みがまだ不十分だと位置づけて、今年度はとくに“デジタルワークスタイル”と“デジタルライフスタイル”における革新を原動力とした成長を目指していく。日本法人の組織も、この2つの動力源に対応できる体制に変えたという。

 ヒューストン社長は、PLAN-Jの2年間の成果として、地方自治体や教育・研究機関との連携が推進できたこと、顧客やパートナーからの満足度向上を達成できたこと、などをあげた。逆に、さらなる成長の機会をもたらすものとして、デジタルワークスタイルとデジタルライフスタイルの両面での取り組みに課題があることがわかったことも、大きな成果だとした。

 「日本のビジネスにおける生産性向上は、1990年代に比較すると、今世紀に入ってから欧米に後れを取りはじめているのではないか。ITを使ったイノベーションをワークスタイルの中にもっと持ち込んでいく必要がある。反対に、デジタルライフスタイルでは、日本は欧米諸国に対しても3−5年は先行していると思う。日本市場で生じていることがいずれ他国にも広がっていくので、当社としては日本で学んだことをグローバルに展開することを考えていかなければならない」とヒューストン社長。

 これに対応する組織的取り組みとして、ヒューストン社長がデジタルライフスタイル、樋口泰行COOがデジタルワークスタイル分野を統括する体制を構築した。

 デジタルワークスタイルでは、経営的な視点から企業のIT戦略の課題を見つめることを重視しながら、ソリューションとパートナーをさらに拡大強化していく。とくに、「品質向上に第一優先で真剣に取り組みたい。今年度内に、品質に関連するあらゆる問題の総責任者を置く。外資系企業にありがちなことだが、各事業部門がそれぞれ本国に目を向けてしまうという問題がある。横断的に動いて、責任の所在をはっきりさせることで改善を図るのが狙いだ」(樋口COO)という。

 一方、デジタルライフスタイルでは、WindowsVistaを核としてさまざまなデバイスやサービスを連携させていく。「消費者はよりスマートなデバイスを求めている。Windowsモバイルによるスマートフォンがさらに大きな成功を収めると思うし、ゲームビジネスも日本向けのコンテンツを強化するとともに、日本のゲームソフトが海外で成功することも後押ししたい」(ヒューストン社長)とした。