アクセルリスとアジレントが包括的再販売契約

インフォマティクス製品群を統合、電子実験ノートなど戦列

 2007.10.12−米アクセルリスは、米アジレント・テクノロジーとの間で包括的な再販売契約を締結した。化学データベースエンジン、ワークフローエンジン、電子実験ノートブック、実験データ統合など、ケムインフォマティクス分野のソフトウエアを相互に組み合わせて、医薬・バイオ・化学業界向けの共同ソリューションに仕上げていく。国内でも、日本法人同士が協調していく予定で、年内には共同事業体制を固めたいとしている。

 今回の提携は、互いのインフォマティクス製品群を再販売し合うVAR(付加価値再販売)契約に基づくもので、期限はとくに定められていないようだ。アクセルリスが他社製品を販売するVAR契約を結ぶのは初という。

 具体的には、アクセルリスの統合化学情報管理プラットホームである「Accord」、ワークフローエンジンとして働くミドルウエア製品の「パイプラインパイロット」、アジレントのエンタープライズコンテンツマネジメント(ECM)製品である「OpenLAB」、電子実験ノートブック「Kalabie」、遺伝子発現ソリューション「GeneSpring」が対象になる。

 アジレントのOpenLABは、研究・実験データを主な対象にしたECM製品で、研究所統合情報システム(LIMS)と連携してデータを一元管理する機能を持つ。もともとは米サイエンティフィックソフトウエア社の製品だが、2004年に独占販売権を取得したあと、2005年5月に正式に買収している。またKalabieも、仏KLEEグループから今年の6月に買収したばかり。2002年に製品化されたシステムで、医薬・化粧品企業などに導入実績があるようだ。代表的なユーザーはソルベイ。

 これらのソフトウエアは、アジレントのライフサイエンス&ケミカルアナリティクス事業部門に組み込まれているため、今回のアクセルリスとの提携は販売面での強力な後押しになると期待される。また、アクセルリスにとっても、電子実験ノートを戦列に加えることができたなど、インフォマティクス市場を開拓するためのアプリケーションのラインアップをそろえるという点で大きな意味がある。

 アクセルリスでは、これらのアジレント製品をAccordやパイプラインパイロットと連携させるためのコネクター開発を進め、年内には統合ソリューションの大枠を固めたい考え。パイプラインパイロットとOpenLAB、KalabieとAccord、Kalabieとパイプラインパイロットなどの組み合わせが考えられるが、全体としてアクセルリスが推進する“サイエンティフィックビジネスインテリジェンス”を具現化するソリューションに仕上げていく。

 国内でも、来春からは本格的な提案活動に入りたいとしている。