2007年秋CCS特集:アドバンスソフト

ナノ材料解析で内外から注目、継続的発展へ万全の体制

 2007.11.26−アドバンスソフトは、文部科学省プロジェクト「革新的シミュレーションソフトウエアの研究開発」(RSS21)に参画し、国産先端ソフトの商用化と産業界での普及に取り組んでいる。

 CCSとの関連では、生命科学分野でたん白質全電子計算ソフト「Advance/ProteinDF」、量子化学計算によるたん白質と薬物分子との相互作用解析ソフト「Advance/BioStation」、材料科学分野でナノ材料向け第一原理計算ソフト「Advance/PHASE」、ソフトマテリアル解析シミュレーター「Advance/OCTA」(これは経済産業省プロジェクトがベース)などをラインアップしている。

 なかでも、市場からの注目度の高いのがAdvance/PHASE。去る11月10日から16日まで米国で開催されたスーパーコンピューター展示会「SC07」においてゴードンベル賞にノミネートされたほど。惜しくも受賞は逃したが、最先端の研究用ソフトとしての実績を内外に示した。

 国内でのPHASEの普及に関しては、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)および住商情報システム(SCS)との協業も推進しており、具体的な案件がいくつか進みはじめている。HPがPCクラスターを中心としたコストパフォーマンスの高いハードウエアを用意し、SCSがサポートを提供するというフォーメーションである。PHASE自体もHPハードウエアに最適化した特別なバージョンが準備されており、通常よりも高速な処理が可能。

 一方、生命科学分野では、2製品の統合を進めている。11月リリースのAdvance/BioStation3.0から、Advance/ProteinDFを呼び出すことができるようにした。まだ、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)は統一されていないが、さらなる統合化を図っていく。

 RSS21は今年度で終了するため、今後の継続的な開発が課題になる。同社は、実際にプロジェクト内で蓄積した経験を生かし、万全の体制で臨んでいく。