2007年秋CCS特集:ワールドフュージョン

ケミカルゲノミクスで創薬支援、トライポス製品との統合実現

 2007.11.26−ワールドフュージョンは、設立以来のファーマコゲノミクス関連のウェットからドライ系までの総合サービスに加え、米トライポスの分子モデリングシステム「SYBYL」の取り扱いを4月から開始し、新しい“ケミカルゲノミクス”というコンセプトを掲げて、創薬研究を強力に支援している。

 同社は新生トライポスの始動とともに、国内での事業展開を開始したが、早くもそのシナジーがあらわれつつある。遺伝子・たん白質・疾患・化合物の関係性を網羅した創薬・バイオ研究のためのナレッジステーション「LSKB」(ライフサイエンスナレッジバンク)の情報をSYBYLから活用できるようにし、標的たん白質の構造をもとにリード化合物を探索したり、遺伝子発現情報によるパスウェイ解析を薬物設計までダイレクトにつなげたりするなど、製品の統合計画を進展させている。

 具体的に、LSKBとSYBYLとの連携は、年明けにも実現させたい考え。また、トライポスのデータカートリッジ製品である「AUSPYX」を介して化合物データベースを構築し、LSKBから活性化合物の情報を一気に取り込んでリードホッピングを行うなどの使い方も可能になる。

 トライポス自体も、新体制後は順調な動きをみせており、今年は現在までに5つの修正プログラムと2つの新製品をリリースした。新製品は、旧トライポスが受託研究のために内部で使用していたオリジナルソフトで、「Topomerサーチ」と「TopomerCoMFA」。3次元QSAR(構造活性相関)を行うツールで、高度に自動化がなされているのが特徴だという。

 ワールドフュージョンでは、11月にトライポスから専門の講師を呼び、ハンズオン形式の3日間にわたるトレーニングコースを国内で初めて実施した。米国で行われているものと同じ内容のトレーニングが提供されたもので、ユーザーには好評を得た。このため、来年以降も1年に3回のペースで開催する予定。日本独自でもオンライントレーニングを実施するなど、活用を助けていく。