シミックス日本法人がIsentrisへの移行促進策

新機能など評価用のスターターキットを開発、DBも3ヵ月間無償提供

 2007.10.23−シミックス・テクノロジーズ日本法人(旧ElsevierMDL日本法人)は、統合化学情報管理システム「Isentris」への移行を促進するための新戦略として、新しい機能や使い勝手の良さを手軽に評価できる「スターターキット」を開発し、提供開始した。日本独自の取り組みとして行うもので、評価用として特別なライセンスを低価格で用意したほか、試薬データベース(DB)などのコンテンツ群を3ヵ月間無償で開放する。

 同社は、この10月からシミックスとMDLが合併して新体制になったばかり。この機を生かし、旧世代の「ISIS」から次世代製品の「Isentris」への移行を加速させたい考え。ISISの更新期を狙って競合ベンダーも攻勢を強めているため、既存ISISユーザーへのマイグレーションプランの一貫として今回の「スターターキット」を企画した。

 製品構成としては、「ベーシックパッケージ」と「カスタムクライアントオプション」に分かれている。ベーシックパッケージには、特別価格のIsentrisの3ユーザーライセンス(年間使用権)に加え、反応DBのCIRX、試薬DBのACD、治験薬DBのCMC、毒性DBのToxicity、開発医薬品DBのMDDRを対象にした最長3ヵ月間の無償使用権が含まれている。トレーニングやサポートなどの技術支援もひと通り行われる。

 おもには、DB参照系のシステムをIsentrisベースで構築し、その機能や使い勝手を評価する目的を想定したもの。化学反応のスキーマをインラタクティブに探索できる“リアクションプランナー”や、エクセルをクライアントに活用することのできる“Isentris for Excel”といった新機能を試してみてほしいという。

 また、カスタムクライアントオプションとして、検索画面などのユーザーインターフェースをカスタマイズするための“Isentrisコントロール”の付加的なトレーニングや実際の画面設計など、さらに専門的な技術支援を提供していく。

 同社では、このスターターキットをパートナーであるシステムインテグレーター各社と共同で推進していく考え。評価環境としてのハードウエア(PCサーバー)やオラクルのライセンスはパートナーが用意することになる。稼働中のISISとは物理的に切り離して、評価専用の環境を用意してIsentrisをテストしてもらいたいという。具体的なパートナーとしては、CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)と新日鉄ソリューションズに加えて、新たに日本オフィス・システム(NOS)とも提携した。

 *(注)記事中の写真は9月に開かれたElsevierMDL日本ユーザー会で使用された資料。MDLをシミックスと読み替えてください。