インフォコムがワークフローツールKNIME対応製品の第1弾

ケムアクソンのインフォマティクス機能と連携、DB処理自動化で生産性向上

 2008.02.05−インフォコムは1月31日、フリーのワークフローツール「KNIME」(ナイム)上で、ケムアクソン社のケムインフォマティクスツールを利用できるようにする「JChemエクステンション」を独自に開発し、全世界の創薬研究者向けに販売開始すると正式に発表した。化学構造を含むデータベース(DB)処理や化合物の物性計算など、一連の作業手順をワークフロー化して、自動的に実行させることが可能。プラットホームとなるKNIME自体は無償だが、ケムアクソンのライセンスが別途必要になる。

 KNIMEは、“ノード”と呼ばれる単位操作のモジュールをつなぎ合わせることにより、ワークフローを構築することができる。今回のJChemエクステンションは、ケムインフォマティクス専用のノード集であり、インフォコムのKNIME対応ビジネスの第1弾に当たる。

 具体的な製品構成としては、基本的な機能を集めた「ベース」と、ケムアクソンの専門ツールを利用するための「オプション」が用意されている。ベース製品には、さまざまなファイル形式に対応した入出力ノード、外部プログラムと連携できるように構造タイプを変換するコンバーターノード、構造認識・描写・可視化を行うビューワーノードなどが含まれる。また、オプション製品には、部分構造検索、データカートリッジ連携、構造標準化、物性計算、フラグメント分解−などの機能を果たすノードが組み込まれている。

 ライセンス価格は、ベース製品が約40万円。ただし、年内はキャンペーンとして半額でサービスする予定。アカデミックユーザーに関しては、ベースは無償(サポートなし)で提供することにしている。

 インフォコムでは、ケムアクソンの化学DBエンジンをコアにしたウェブベースの化合物データ管理システム「J-STRIKE」を製品化しており、これと統合することでケムインフォマティクスユーザーの生産性が大きく向上すると期待される。

 さらに、同社が販売権を持っている米シュレーディンガー社も、KNIME対応ソリューション「シュレーディンガーKNIMEエクステンション」を今春に正式リリースする予定。これにより、分子モデリング分野を含めて幅広いワークフローを活用できることになるという。