2008年春CCS特集:ケンブリッジソフト

電子実験ノートで市場リード、中国にサポートセンター

 2008.06.25−ケンブリッジソフトは、電子実験ノート「E-Notebook」が牽引役となり、年率30%の高成長を続けている。国内でも13社への導入実績があり、製薬会社の合成部門が使用する電子実験ノートしては、すでに業界標準的な地位を得つつある。

 欧米では、合成部門にとどまらず、プロセス化学、製剤部門、生物部門など、全社的な水平展開が加速してきている。また、紙の実験ノートと併用するのではなく、完全電子化の流れも鮮明になってきた。現在、同社のユーザーでは海外の5社が完全に電子化して運用中だが、どこも紙との併用にはもう戻れないと感じているそうだ。一度、電子化してみると、紙と併用する不自由さを実感するようになるという。

 現在のE-Notebookは、アーキテクチャーとして、ビジュアルベーシック版のバージョン9と、ドットネット版のバージョン11に分かれている。実際、エンドユーザー視点からのソフトの見た目や使い勝手は変わらないのだが、ドットネット版は最新のIT(情報技術)技術に準拠しているほか、パフォーマンスも向上している。順次、ドットネット版への移行を進めていく。

 これと合わせて同社がターゲットにしているのが、「ChemOfficeエンタープライズ」の化合物管理システムとしての本格採用。電子実験ノートをフロントエンドにして、バックで動く化合物の登録・管理をChemOfficeで実現しようというもの。リプレースを含めて積極的に市場展開していく。

 また、同社では昨年、中国にサポートセンターを開設した。日本語ができるスタッフを揃えており、導入時のカスタマイズなどにも対応することが可能。富士通や日本IBMなど、パートナーによるサポート体制も万全であり、企業向けビジネスの拡大にますます拍車をかけていく。