2008年春CCS特集:富士通九州システムエンジニアリング

安全性評価で自社ソフト拡大、環境規制対応型SIに着手

 2008.06.25−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、自社ソフト、システムインテグレーション(SI)、他社ライセンス製品の3つをバランス良く展開してCCS事業を推進している。

 とくに最近好調なのが自社開発製品の「ADMEWORKS」。化合物のADME(吸収・分布・代謝・排出)特性や毒性を予測するソフトとして開発されており、あらかじめ溶解性やLogP、ヒト腸管吸収、血液・脳関門、CYP3A4代謝・阻害、発がん性などの予測モデルが用意されている。今月発売された最新バージョン4.5では、hERGたん白質のカリウムチャンネルの阻害を予測するモデルも組み込まれた。

 それに加え、ADMEWORKSには、ユーザーが自分で用意したデータをもとに任意の予測モデルを構築するためのモデルビルダー機能が装備されている。最近では、この機能を利用することで、医薬だけでなく、化学や自動車などの幅広い業種にユーザーが広がってきている。とくに、化学物質の安全性を評価する目的で利用されるケースが多いという。

 さらに、新製品として、「ADMEWORKS/DDIシミュレーター」が7月から発売される。特定非営利活動法人・HAB研究機構の薬物相互作用データベースを利用し、薬物の併用時の副作用に関係する薬物相互作用を予測することができる。臨床での使用を想定したシステムとなっている。

 また、同社は富士通グループのシステムインテグレーターとして、政府機関の大掛かりな物質データベース構築などのSI案件を手がけてきた実績がある。そうしたノウハウを生かし、強化されつつある環境関連の法規制に対応できる「化学物質管理ソリューション」を積極的に展開したい考え。化合物情報や物性データ、試験データ、安全性データ、各種ドキュメントなど、化学物質に関連した情報を一元的に管理し、必要に応じてすぐに取り出し、レポート出力することなどが容易に行える。ADMEWORKSとの相乗効果も狙う。