2008年春CCS特集:化学情報協会

高度な研究開発基盤を提供、化学周辺産業にも広がり

 2008.06.25−化学情報協会(JAICI)は、日本の科学技術者に対して欧米と同等の研究開発基盤を提供するため、各種のデータベースやソフトウエアに関するサービスを幅広く推進。とくに、CAS(ケミカルアブストラクツサービス)関連の業務はその中核であり、CASデータベースのオンラインサービスである「STN」については、東京サービスセンターとしての活動を一手に請け負っている。

 STNは、米CASと独FIZカールスルーエが共同運営する科学技術総合データベースサービスで、CASが提供する「CAplus」と特許情報に特化したトムソン・ロイターの「ダウエントワールドパテントインデックス」(DWPI)が中心となっている。

 CAplusは広い意味での“化学”をカバーしており、天体物理から薬理学まで、物質の関連している学術分野を幅広く網羅している。情報のソースも、学術雑誌、商業誌、特許、実用新案と広い。その高い網羅性ゆえに、研究開発の基盤ツールとして、国内の化学工業に属する企業・機関のほとんどがすでに利用中だということだ。最近では、電気や自動車など、ユーザーは周辺産業にまで広がりをみせている。

 情報量の豊富さだけでなく、質の高い検索ができることも人気の理由であり、2,600万件からのピンポイント検索が可能。過不足なく重要な情報を引き出すことができる。ファクトデータと文献データの両方を網羅している利点を生かし、競合他社の研究動向の分析や自社の特許戦略・研究戦略の立案に役立つ解析ツール「STN AnaVist」も用意されている。現場の研究者だけでなく、マネジメント層にも積極的にSTNを利用してほしいということだ。

 有効な活用を促進するため、年間200回以上の講習会を開催しているほか、ヘルプデスクなどサポート体制にも万全の体制を敷いている。