2008年春CCS特集:ワールドフュージョン

創薬支援の新戦略を具体化、製品・サービスの融合進む

 2008.06.25−ワールドフュージョンは、創薬支援のための“ケミカルゲノミクス”戦略を加速。独自開発の「LSKB」(ライフサイエンスナレッジバンク)と米トライポスの分子モデリングシステム「SYBYL」を組み合わせた統合ソリューション提案に力を入れる。

 LSKBは、遺伝子・たん白質・疾患・化合物の関係性を網羅したナレッジステーションで、高度なテキストマイニング技術を利用した文献検索などが可能。最近の新薬研究のスタイルとして、“化学”と“生物”を合体させたアプローチが注目されているが、LSKBとSYBYLとの組み合わせは、その1つの解答になるという。

 例えば、分子構造に注目して情報検索を行う場合、SYBYLに組み込まれたフィンガープリントやTopomer技術による類似性評価を加えた精密な検索が可能。検索結果から「TopomerCoMFA」でQSAR解析を行って活性を予測したり、「Topomerサーチ」で同じターゲットに作用すると思われる別の骨格に構造展開したりすることができる。年末にはトライポスの新しいバーチャルライブラリー「Allchem」を使用することで、合成経路の探索までもが可能になる。

 SYBYLとLSKBが連携する利点として、通常のキーワード検索よりも的を射た文献調査が可能になること、また検索速度の速さや得られる情報の豊富さ、さらにターゲットであるたん白質につながる情報が得られることなどがあげられる。

 同社では、今回のソリューションを「LSKBケミストリーエクステンション」として提供する計画。9月から利用できる予定だが、セミナーなどを通してさらに詳しい情報を発信したいとしている。

 同社がトライポスの販売権を取得して1年が経過した。“ケミカルゲノミクス”のコンセプトもようやく浸透しはじめた段階であり、今後の展開がますます期待される。