FQSが薬物体内動態予測のコマンドラインツールを開発

大量化合物をバーチャルスクリーニング、他システムとの連携も容易

 2008.09.30−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、大量の化合物を対象にした物性予測を高速に行うことができる「ADMEWORKS/CMDPredictor」(CMDプレディクター」を開発、10月1日から新発売すると発表した。50万件の化合物の溶解度を3時間以内で評価することが可能。コマンドラインから利用するプログラムなので、ワークフローツールなど他のシステムへの組み込みや統合も容易。価格は262万5,000円からで、年間に50件の契約を見込んでいる。

 ADMEWORKSシリーズは、化学物質や薬物の安全性・体内動態を予測するシステムで、ウェブ環境でADME(吸収・分布・代謝・排出)や毒性関連の22種類の予測モデルを利用できる予測専用システム「ADMEWORKS/Predictor」、ユーザー自身が予測モデルを構築するための専用ツール「ADMEWORKS/ModelBuilder」、そして今回の「ADMEWORKS/CMDPredictor」−の3製品のラインアップとなった。

 新製品であるADMEWORKS/CMDPredictorは、ADMEWORKS共通の予測モデルを利用し、大量化合物をハイスループットで評価するバーチャルスクリーニング用システム。通常はデータベースへのアクセスが多発する計算だが、処理を分割してメモリー上で計算できるようにすることで、10万件以上の化合物ライブラリーのスクリーニングを可能にした。372件の記述子の計算もまとめて行うことができる。

 また、WindowsとLinuxの両方のコマンドラインから利用できるため、既存システムとの連携・統合も容易。バーチャルライブラリーと組み合わせて、有望な化合物をふるい分けるなどの使い方が適している。パイプラインパイロットなど、CCS分野でよく使われるワークフローツールのモジュールとして組み込むことも可能。

 ライセンスは、買い取りが262万5,000円から、年間使用権は105万円から。予測モデル(22種類のフルセット)は、買い取り63万円から、年間使用権30万2,400円からとなっている。