トムソン・ロイターがバイオマーカー情報を提供

統合ポータルIntegrityに組み込み、主要な治療分野を網羅

 2008.7.9−トムソン・ロイターは、医薬品の研究開発および臨床研究で利用できるバイオマーカー情報を提供する新サービス「バイオマーカーセンター」をリリースした。製薬業向け統合ポータルサービスである「Integrity」のオプションとして組み込まれたもの。6分野/500以上のバイオマーカー情報を収録している。

 バイオマーカーセンターは、6月9日から3週間にわたり、Integrityユーザー向けにお試し版として無償公開されていたが、7月からは正式版のサービスがスタートしている。お試し期間中に数百回のアクセスを重ねたユーザーもいたという。情報の内容や質の高さが評価されているようだ。

 もともとは、昨年9月にグループに統合された旧プロウスサイエンスとの共同プロジェクトとして製品化されたもので、主要な治療分野(腫瘍、心臓血管、代謝、呼吸器、自己免疫、神経など)に関する文献、特許、学会、国際会議などをソースとして、確認されたバイオマーカーを網羅している。具体的なデータ項目としては、バイオマーカー名、分類、関連する生理活性物質と活性プロセス、関連する医薬品、役割・有用性、測定方法、診断キットの開発段階、検証段階といった情報が含まれている。

 こうしたバイオマーカーに関する豊富なデータを、文献、特許、遺伝子/標的、医薬品/生物製剤、企業/研究機関、毒性、臨床試験などの関連情報と結びつけて調べることが可能。それぞれのバイオマーカーの重要度や信頼性を的確に把握することができるという。

 Integrityの標準の知識項目にもバイオマーカーが含まれているが、そちらはがんに関するものが中心になる。これに対し、バイオマーカーセンターは、すべての治療分野における既知のバイオマーカー情報を即時的かつ包括的に収集することを目指している。

 当面は、Integrityのオプションとして提供されるが、ユーザーはXMLデータとしてダウンロードして社内システムに統合して使用することも可能。将来的には、Integrityと独立したサービスとして運営する計画もあるようだ。