米オープンアイが日本法人を設立し対日戦略強化

米国からの直接販売・直接サポートへ、国内ユーザーとの対話を重視

 2008.10.29−創薬研究支援の専門ソフトウエアベンダーである米オープンアイ・サイエンティフィックソフトウエア(本社・ニューメキシコ州、アンソニー・ニコルズ社長兼CEO)は、このほど日本法人「オープンアイ・ジャパン」を設立し、対日戦略を強化した。販売代理店を主体としてきたビジネスモデルを大きく方向転換し、日本法人の支援のもとに米国からの直接販売・直接サポートに切り替える。同社は商業的な面よりも“サイエンス”を重視することをポリシーとしており、今回の変化は日本の科学者・技術者と直接に対話したいとの考えからだという。

 同社は1997年の設立。薬物分子設計のためのアプリケーションとツールキットを開発しており、科学的な精度の高さを特徴としている。分子の相互作用解析のための「VIDA & VIVANT」、バイオアイソスター探索を行う「BROOD」、たん白質−リガンド複合体のフィッティングを自動化する「AFITT」−などの製品で知られている。

 国内では2004年からサイバネットシステムが代理店として活動してきたが、10月6日付で契約期間が満了したことにともない、米国本社からの直販に乗り出すことにしたもの。それにともなって設立された日本法人の名称はオープンアイ・ジャパンで、代表者は大江武弘社長。本社は奈良県宇陀市榛原区ひのき坂2-2-2に置く。電話は0745-82-8186。ただ、日本法人は営業活動などは行わず、本社による販売やサポートを国内で支援する立場をとる。

 このため、本社の営業・技術などのスタッフがこれまで以上の頻度で来日し、既存ユーザーおよび国内の製薬企業のニーズに対応していく。とくに、国内のユーザーに向けて欧米と同等のサポートを提供することが目標になっている。同社のウェブサイトも、10月7日から日本語版(ページ右上隅の日の丸のアイコンをクリック)が公開されている。