米シミックス・テクノロジーズ:ゴールドワッサーCEOインタビュー

主力製品の開発促進に全力、日本での事業体制強化へ

 2008.10.31−シミックス・テクノロジーズがMDLインフォメーションシステムズを買収して、ちょうど1年になる。それぞれの日本法人同士も統合し、新生シミックスはまさに順調に滑り出した。3つの事業がバランスを取る新生シミックスの全体像も明確になってきており、買収・合併の真価が問われるという意味で、2年目の舵とりが注目されるところ。同社のイジー・ゴールドワッサー(Isy Goldwasser)CEOに、ビジネスの現状と今後の戦略を聞いた。

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 − まずは新生シミックスの現況を教えていただけますか。

 「当社は1995年に設立した企業で、ハイスループット実験(HTE)技術を核に受託研究・共同研究を行う“Symyx Research事業”、HTEのノウハウとシステムを外販する“Symyx Tools事業”、研究活動を支援する各種ソフトウエアを提供する“Symyx Software事業”−が3本柱となっている。2008年(1-12月)の売り上げは、1億7,500万ドルの水準を見込んでおり、その内訳はSymyx Softwareが1億ドル、Symyx Toolsが5,000万ドル、Symyx Researchが2,500万ドルとなる。社員数は600人。うち、開発者が150人、科学者が75人、技術者が75人という構成だ。民間で1,324社、アカデミックで632、政府機関で124のユーザーを抱えている」

 − 3事業の構成比に関してはどう考えていますか。

 「2008年でいうと、構成比はSymyx Softwareが60%、Symyx Tools 25%、Symyx Researchが15%となる。MDLと一緒になる前の2007年はSymyx Software 20%、Symyx Tools 35%、Symyx Research 45%という比率だった。その意味で、現状は適切な割合になったと思う。やはり今年は新生シミックスとしての基盤づくりの年だったので、年末までにはあらためて事業の長期ビジョンをまとめたい」

 − 地域別の事業の現状はいかがでしょうか。構成比を教えてください。

 「それは非公開のデータなので詳しいことはいえないが、最も大きいのは北米、次いで欧州、そしてアジア太平洋となる。中国やインドでの事業もスタートしているのでアジア市場は伸びるが、ただあまり偏りなく、3つの地域を均等に成長させたいと思っている」

 − MDLを買収して以来、この1年間はどんなことに力を入れてきましたか。そして、次の1年は何がテーマになりますか。

 「やはり、この間は2つの主力製品の開発に力を注いできた。“Symyx Notebook”と“Symyx Isentris”だ。リソースの配分も含めて、あらためて開発を効率的に進めるようにしてきた。その成果として、旧MDLの技術を取り込んで“Symyx Notebookバージョン6”をリリースできたし、“Symyx Isentris”も新しいバージョン3.1によって重要な段階に到達できたと考えている。次の1年については、“Symyx Notebook”にはいくつかの大きなリリースが控えているし、“Symyx Isentris”も“Symyx LEA”(Lab Execution & Analysis)もどんどん機能強化していくので、開発の手をゆるめることはしない。とくに、“Symyx Notebook”がメディシナルケミストリー分野で本格的な機能を備えるようになることは、日本市場でも大きな反響を呼ぶと期待している」

 − その日本市場に関してですが、あらためて意気込みを聞かせてください。

 「われわれが日本にコミットメントしていることをあらためて強調しておきたい。とくに、CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)と新日鉄ソリューションズという2社のパートナーとのネットワークを確立できたことに大きな意味がある。シミックスはまだまだ日本で知名度が低いと思う。新しいユーザーにわれわれの存在、そして製品の良さを知っていただき、パートナーと協力して新しいビジネスチャンスをつかんでいきたい」

 − Symyx Software事業については、旧MDL時代からの継承もありますが、例えばSymyx Tools事業の見通しについてはいかがですか。

 「旧シミックス時代からCTCLSと連携して、Symyx Tools製品の実績も重ねてきている。われわれの技術の優位性、製品の機能性を考えると、これからますます日本市場で成長できるはずだし、逆にそうならない理由を見つけることはできないと思う。今後、パートナーとの連携をいっそう緊密にしてビジネス展開していくので、その成果を見てくれというところだね」(笑い)