ヒューリンクスが米ハイパーキューブのバイオインフォ関連新製品
グラフィカル環境で機能統合、3次元分子モデリングと融合
2009.01.07−ヒューリンクスは、米ハイパーキューブが開発した新製品「HyperProtein」を国内で販売開始した。たん白質をターゲットとしたバイオインフォマティクス領域のソフトウエアで、アミノ酸配列のアラインメントから系統樹の作成、2次構造予測、立体構造の組み立てまで、さまざまな研究プロジェクトを洗練されたGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)環境で実行することができる。Windows専用で、価格は28万3,500円、教育機関向けは19万3,200円。
ハイパーキューブは、統合型の汎用分子設計支援システム「HyperChem」で有名なベンダーだが、今回の新製品はまったく新しいソフト。バイオインフォマティクス分野のソフトは、研究者が作成したフリーのツールが多く、ユーザーはそれらを自分で組み合わせて使うことが一般的である。ただ、ほとんどのソフトはLinux向けで、テキストベースのコマンドライン操作であり、コンピューターに不慣れな研究者にはかなり敷居が高い。
HyperProteinの優位性は、Windowsで利用できることをはじめ、さまざまな解析機能をマルチウィンドウでグラフィカルに統合したこと。とくに、バイオインフォマティクスを中心に、3次元のたん白質分子モデリング機能を組み合わせた点で、市場で唯一の製品だとしている。
具体的には、異なる生物種のたん白質ファミリー間の相同性を解析し、“種の系統樹”を作成。ニューラルネットを利用してアミノ酸配列からたん白質の2次構造を予測したり、任意の配列部分の立体構造を作成したり、分子力学的に構造最適化を行ったりすることが可能。系統樹と立体構造がマッピングされているので、生物種間にみられる配列の変化と立体構造の変化をダイレクトにとらえることができる。主に系統学的研究に役立つ機能が揃っているようだ。
シーケンス、アラインメント、系統樹、たん白質立体構造、シーケンスを示したグラフなど、さまざまな要素を同時に複数のウィンドウに表示することができるため、非常に理解しやすい。PerlやTCLなどのスクリプト言語に対応しており、ユーザー独自の工夫で高度な使い方も可能となる。
同社では、発売に当たって日本語チュートリアルを用意した。またデモ版のダウンロードも可能で、一通りの機能を購入前に確かめることもできる。
HyperProteinはHyperChemとは別製品だが、セットで購入すると特別価格が適用となる。そのセット価格は、一般向け45万1,500円、教育機関向け29万9,250円。