CASデータベースに1H-NMR予測値2,380万件を追加
ACD/Labsとの提携で登録、スペクトルチャートの情報量拡大
2009.01.31−米国化学会(ACS)の情報部門であるCAS(ケミカルアブストラクツサービス)はこのほど、データベースサービスの新しい登録情報として、2,380万件を超える1H-NMR(プロトンNMR)スペクトルチャートを収録した。実測値ではなく計算によって予測した情報で、オンライン検索サービスである「SciFinder」を通して利用できる。
CASでは、SciFinderを利用する研究者に対して、各種NMR(水素、炭素、フッ素、ケイ素、リン)のスペクトルチャートをはじめ、IR(赤外吸収)やラマン(拡散)分光法によるスペクトルチャートなど、48万を超える物質に対して実測したチャートを提供してきている。
今回の追加データは、物性予測プログラムで実績がある加アドバンスドケミストリーデべロップメント(ACD/Labs)との契約に基づいて収録したもの。プロトンNMRは有機化合物の同定や構造決定のための有用な手段であり、今回、予測値を加えて情報量を飛躍的に高めたことは、研究者の構造同定作業が大幅に効率化されることにつながると期待される。
なお、国内では化学情報協会(JAICI)がCASデータベースおよびSciFinderサービスの普及を担当している。