2009年夏CCS特集:ケンブリッジソフト
電子ノートなど企業向け好調、デスクトップ製品も機能強化
2009.06.24−ケンブリッジソフトは、エンタープライズ製品およびデスクトップ製品ともに好調を維持。日本市場での地位もますます強固なものとしている。
エンタープライズ分野の戦略商品は、電子実験ノートブックの「E-Notebookエンタープライズ」。大手製薬会社を中心に世界で2万5,000ライセンスが稼働しており、市場ではトップシェアを築いている。
とくに、最新バージョン11はアーキテクチャーがドットネット対応に変更され、それまでのVBバージョンに比べて大規模ユーザー環境での信頼性が大幅に向上した。電子ノートの利用が、合成部門から広がりをみせるとともに、ユーザー数やデータ量も拡大していくため、今後はドットネット版が中心になっていきそう。
同社は中国にサポートセンターを設け、日本語でのサポートも万全の体制を敷いている。電子ノートや化合物データベースなどは業務に直結した基幹システムであるため、サポートセンター側に顧客のシステムと同等の環境を構築しておき、素早く的確な障害対応を行うなどの要求にもこたえているという。
一方、「ChemDraw」に代表されるデスクトップ製品は、今年の第3四半期にバージョンアップが実施される。ChemDrawでは、構造式からIUPAC名を生成する機能の拡張、構造式のローテーション、シーケンスツールの強化、BioDraw機能のテンプレートが増えて生物系のグラフィック作成がさらに楽になる。
他の製品でも、Chem3Dは新しい力場の搭載、ChemFinderはエクセル連携ツールの強化など、それぞれ機能強化が行われる。ChemFinderから外部の統計ソフトを介してエクセルへデータ転送できるようになった。生化学系のユーザーではこうした使い方が便利になるという。