2009年夏CCS特集:ヒューリンクス

量子化学ソフトで拡販体制、国内でワークショップ開催も

 2009.06.24−ヒューリンクスは、ガウシアンやケンブリッジソフトなど、CCS分野の定番商品を幅広く揃えて販売攻勢をかける。もともと大学関係などのアカデミック市場に強いが、今年は展示会へ積極的に出展し、製薬業などの民間向けにもアプローチを強めていく。

 今年最大の注目商品は米ガウシアンの量子化学計算パッケージ「Gaussian09」。6年ぶりのバージョンアップであり、今年3月末の日本化学会で情報を公開したところ、非常に大きな反響があった。現行のGaussian03も安定的に販売を伸ばしてきているだけに、最新版の発売は一気に人気に火をつけるものと期待されるという。

 Gaussian09はいままでよりも大きな系が扱えるようになったことが特徴。とくに、ONIOM法では遷移状態の構造最適化が可能になったほか、内部反応座標計算の高速化が図られたため、巨大な生体高分子内部で起こる反応の解析ができるようになった。励起状態の計算でも、電子スペクトルの強度がより正確に求められるという。

 同社では、今秋に開発元と共同で「Gaussianワークショップ」を国内で開催する。4日間ほどの規模で、最新版の機能に関する講演から実際のハンズオン講習まで盛りだくさんな内容を予定。そのほか、同社単独でもセミナーを開催していく計画で、客先での出張講習にも応じていきたいとしている。Gaussianの専門知識を持つスタッフも入社し、サポートにも万全を期す。

 一方、米ケンブリッジソフト(CS)製品では、構造式作図ツールの「ChemDraw」が圧倒的な支持を得ている。ただ、CS製品には電子実験ノートや化学情報検索ソフト、生物情報管理ソフトなど多様なツールが揃っている。研究者個人の生産性をさらに高めてもらうため、今年はスイート製品を前面に押し出し、多彩なツールの使用法を積極的に提案していきたいとしている。