2009年夏CCS特集:JSOL
J-OCTAの活用が進展、QSPR機能を新規に提供
2009.06.24−JSOL(旧日本総研ソリューションズ)は、経済産業省プロジェクトで開発された材料設計支援システム「OCTA」をベースにした商用版「J-OCTA」を開発してきた。
J-OCTAは、高分子材料の力学特性、熱特性、界面特性、透過特性などを評価するためのメソスケールシミュレーションを特徴とした統合システムで、粗視化分子動力学法、動的平均場法など、国産の解析エンジンを利用できる使いやすいGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を備えている。
J-OCTAの最終バージョンは昨年11月にリリースされたバージョン1.4で、近くサービスパックを用意する予定。それにあわせて、構造物性相関(QSPR)機能をオプションとして新たに提供する。ソフトウエア上で分子式を描くだけで密度、熱膨張係数、ガラス転移温度、弾性率、誘電率をはじめ、高分子のさまざまな物性を瞬時に一覧表示できるもので、材料設計を行う際の最初のスクリーニングに有用なツールとなる。
最新の学術成果を継続的に取り込んでいるJ-OCTAを実際の材料設計に適用するためには、それぞれの内容に応じて各ツールを複雑に使いこなす必要がある。今後は新規販売に加えて、ソフトウェアのカスタマイズや、解析コンサルティングサービスを積極的に提供していくことで、お客様の活用事例や成果を増やしていく方針。ユーザーの中には、J-OCTAでさらに成果を出すための大規模な計算環境を用意したところもあり、今後の活用への期待が膨らんできている。
昨年は実施しなかったユーザー会は、ユーザーからの要望に応えて今年の秋に開催することを計画中であり、技術交流の場を提供していく。