2009年夏CCS特集:サイエンス・テクノロジー・システムズ
共同研究通しノウハウ蓄積、パッケージにも独自性付加
2009.06.24−サイエンス・テクノロジー・システムズ(STS)は、計算科学技術やHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)分野の専門ベンダーとしてソリューションを提供する一方、受託研究/共同研究業務を通して高度な専門ノウハウを蓄積してきている。
同社は北海道大学と長年にわたって糖鎖に関連した共同研究を推進しており、複合糖質データベース「Glycoconugate Data Bank」の開発、糖鎖MSスペクトル自動帰属アルゴリズムの開発などの成果をあげてきた。今回、その関連で新たに科学技術振興機構(JST)の委託事業として、「全自動糖鎖プロファイル診断システムの開発」が採択された。
血清などの生体試料から糖鎖を精製・分析し、その定量的発現プロファイルに基づいて疾患診断を行うもの。すでに完成しているプロトタイプをもとに実証を進め、実際の装置開発に取り組む。今年4月から3年間のプロジェクトとなっている。
一方、パッケージを主体としたビジネスでは、米アクセルリスの「Pipeline Pilot」が好調。各種の“コンポーネント”とそれを用途別に集めた“コレクション”が豊富に用意されており、CCS領域のさまざまなアプリケーションのプラットホームとして利用することが可能。同社では、オリジナルのコンポーネント開発や外部システムとの接続などのニーズにも柔軟に対応している。
とくに、新しいコレクションとして、プロテオミクス研究でMSスペクトル解析を行うための「Mass Spec for Proteomics Collection」が近く提供開始される予定。Glycoconugate Data Bankを構成する「Glyco-Net」(糖鎖機能情報)などと連携させることにより、さらに実用性が高まると期待できるという。