2009年夏CCS特集:ワールドフュージョン
創薬支援で異種技術を融合、ケミカルゲノミクス戦略推進
2009.06.24−ワールドフュージョンは、ライフサイエンス研究支援のための独自のコンセプトとして“ケミカルゲノミクス”戦略を推進、異種技術の融合に積極的にチャレンジしている。
その中心となるのが独自開発の「LSKB」(ライフサイエンスナレッジバンク)。遺伝子・たん白質・疾患・化合物の膨大な情報とその関係性を網羅したナレッジステーションで、さまざまな角度から情報を検索し、データ解析をサポートすることができる。とくに、拡張版の「LSKBケミカルエクステンション」は、既存薬(約5,000)、PDBに登録されているリガンドデータ(約8,000)、購入可能な化合物(約562万)、PubChemから取り出した化合物(約1,850万)、MEDLINEに連結可能な化合物(約10万)を収録している。
類似構造検索から関連たん白質を分析したり、遺伝子を出発として関係する化合物ランキングを求めたりすることが可能。米トライポスのシステム群と連携させることによって、さらに応用が広がる。「ベンチウエア・データマイナー」でHTSデータをフィルタリング/クラスタリング解析し、得られたクラスター化合物をLSKBでそれらの類縁化合物と関連する遺伝子情報を取得、さらに関連する疾患を調べ、作用機序を探っていくなどの一連の研究過程を効率良く進めることができる。
また最近では、米アリアドネの「パスウェイスタジオ」を利用し、遺伝子発現実験データとのマッピングを行うことで機能推定を瞬時に行うなどの応用事例が出てきているという。
さて、トライポス製品についてだが、今年も新バージョン・新製品が続々と登場する予定。なかでも「ベンチウエア・ディスカバリー360」は研究で利用するさまざまなデータへのアクセス・解析・共有を実現するエンタープライズソフトで、LSKBと連携させれば強力な研究情報の基盤になると期待される。
さらに、夏には新製品「パンテオン」がリリースされる。これは分子モデリングと化学データ解析のための拡張プラットホームで、プロジェクト管理や化学スプレッドシート、3次元グラフィックス、リード探索、合成経路探索、ワークフローなどの機能が統合されている。