富士通九州システムズがSKIN-CADの最新バージョン6

経皮吸収製剤開発を支援、解析機能などさらに強化

 2009.07.10−富士通九州システムズ(FJQS)は、経皮吸収型薬剤の開発を支援する「SKIN-CAD」の最新バージョン6を販売開始した。製剤の臨床性能予測や投与計画の策定などに利用することができ、最新版では操作性が大幅に改良されたほか、シミュレーション機能や実験データ解析機能の強化も図られた。Windows Vistaにも対応しており、価格は企業向けで157万5,000円、大学官公庁向けは52万5,000円。

 SKIN-CADは、九州工業大学・情報工学部の東條角治教授の監修のもとに同大学発ベンチャーであるバイオコム・システムズが製品化したシステム。経皮吸収薬物の皮内拡散や血中動態にかかわるパラメーターをもとに、皮膚透過量や血中濃度を予測することができる。この結果を利用して、最終的には経皮吸収型製剤の最適化の検討に結びつけることが可能。

 今回の最新版ではシミュレーション機能がさらに強化され、皮膚結合モデルで現在のラングミュア(Langmuir)型に加えフロイントリッヒ(Freundlich)型を選択できるようになった。また、ファーマコダイナミクス(薬力学)モデルでは、直接反応モデルと薬効コンパートメントモデルに加えて、間接反応モデルが追加された。

 さらに、実験データ解析機能として、製剤放出データ解析(製剤内拡散係数算出)ができるようになったほか、皮膚透過データの定常状態に対する自動探索アルゴリズムの搭載、経皮投与時の血中濃度データにおけるデコンボリューションモデルの改良なども施されている。

 こうした各種機能を活用するためのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)も見直され、操作性が大きく向上したという。