2009年冬CCS特集:アクセルリス
研究における意思決定を支援、材料系ソフト最新版に注目
2009.12.03−アクセルリスは、CCS分野で最大の総合ベンダーとして、材料科学と生命科学の両面にわたり、モデリング・計算化学系からインフォマティクス系までの幅広いシステムを開発・提供。研究者のためのインフォームドデシジョン(情報に基づくより良い意思決定)を強力に支援している。
主要な製品は、ワークフローエンジンや開発環境を統合したプラットホーム製品の「Pipeline Pilot」、創薬支援のための多機能統合システム「Discovery Studio」、材料設計のための先端機能を満載した「Materials Studio」、化合物データ管理などを行うインフォマティクスソフト「Accord」などがある。
とくに、ここへきて注目を集めているのが新製品のMaterials Studioバージョン5.0。計算エンジンの機能が大幅に強化されており、分子力学系では並列処理への対応と64ビットの巨大なメモリー空間を活用することで、大規模で複雑な問題を実用的な時間で解析することができるようになった。
また量子力学系では、数千原子レベルの大規模密度汎関数法(DFT)計算を実行する「ONETEP」のパフォーマンスが3〜10倍に改善されている。さらに、「CASTEP」を使ったラマンスペクトルの予測が可能になった。結晶を対象にすることができ、実験値とシミュレーション結果を比較検討することによって、各種複合材料の分子構造の特定・理解・予測に役立てることができる。
そのほか、低分子やポリマーの非晶構造のモデル作成を行う「Amorphous Cell」も大幅に強化され、ナノチューブ内部のような等値面に分子をパッキングしたり、自由にカスタマイズしたねじれなど分子に柔軟性を持たせてポリマーをセルにパッキングしたりするなど、複雑な凝縮相モデルを素早く簡単に構築することが可能。半導体表面およびナノ粒子へのポリマーの接着などに関する研究に役立つ。