2009年冬CCS特集:コンフレックス

連携活用で実験の再現性向上、MD計算ではGPU対応も

 2009.12.03−コンフレックスは、自社製品の配座探索ソフト「CONFLEX」に加え、計算化学分野の定番ソフトである分子軌道法の「Gaussian」、分子動力学法の「AMBER」を揃え、総合的なサポートサービスを提供している。

 とくに最近注目されているのが、CONFLEXとGaussianの連携活用法。CONFLEXは分子や結晶の配座異性体の最適化構造をもれなく探索できるため、分子軌道計算のための初期構造を発生させる目的で利用することが可能。GaussianでNMR予測を行う場合などに、CONFLEXで導いた構造のセットを使うことにより、実験の再現性が大幅に向上するという。Gaussianの専用GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)であるGaussViewを介してのファイルの互換を実現しており、ユーザーの関心も高まっている。

 CONFLEXは、9月にバージョン6.7をリリースしたが、来年にはバージョン7への機能強化も予定されている。国産CCS製品として今後も発展が期待される。

 一方、AMBERに関しては、来年の春に2年ぶりのバージョンアップとして「AMBER11」が登場する予定。パフォーマンスが大きく改善される模様だ。とくに、グラフィックプロセッサー(GPU)を計算に利用する“GPGPU”対応が注目される。現行のAMBER10用のGPGPUパッチがアルファ版として提供されているが、AMBER11に合わせて対応が強化される可能性がある。

 そのほかでは、今年は受託計算事業が好調だという。計算化学の専門家やプログラマーを雇う余裕がない場合に、それを専門ベンダーに任せようという需要が増えている。計算化学ソフトの導入前にその効果を検証するための“お試し計算”のために、また導入直後のノウハウ不足を補う意味で、専門家に計算を頼みたいというケースも多いという。