2009年冬CCS特集:富士通九州システムズ

ADME・毒性関連で特異性、薬物動態臨床データ収集も

 2009.12.03−富士通九州システムズ(FJQS)は、ADME(吸収・分布・代謝・排出)関連の技術や製品を中心とした事業展開で特異性を発揮。実績や事例を積み重ねつつ、さらなる発展を目指していく。

 同社は自社開発製品として、ADME・毒性予測のための「ADMEWORKS」、オンラインで利用できるデータベースサービス「ADMEデータベース」を持つ。

 とくにADMEWORKSには、あらかじめ15種類の予測モデルを組み込んだ「ADMEWORKSプレディクター」と、独自のモデル構築が可能な「ADMEWORKSモデルビルダー」の2種類があるが、最近では実際にモデルをつくってみたいというユーザーが増えている。

 実際、化合物の構造データと実験データが揃っていればモデル構築は可能。最新事例として、この11月に開催された日本動物実験代替法学会で、福井大学医学部環境保健学の佐藤一博准教授が皮膚感作性予測モデル構築と要因解析を行った研究発表が行われた。分類率100%、予測率81.44%を達成できたという。

 ただ、モデル構築には専門的なノウハウが必要になるため、同社では受託サービスも提供。ソフト導入後に習熟するまでの期間を援助してほしいというニーズや、ソフト購入前に手軽に結果だけを得たいといった要望に応えている。ソフトの開発元ならではの充実したサービスを提供していく方針だ。

 また、ADMEデータベースは薬物動態関連の情報を集めたもので、これまではインビトロのデータを中心にヒトから動物へと情報量を増やしてきている。それに加え、最近ではインビトロと臨床との違いで比較したいというニーズが高まってきたため、阻害データを中心に臨床情報の収集を開始した。今後は、総合的な薬物動態データベースとしての発展を図りたいという。

 一方、システムインテグレーターとしてさまざまな開発案件にも取り組んでおり、医薬品安全性試験の関連で動物試験管理システムを受注した実績もある。