2009年冬CCS特集:科学技術振興機構
無償で科学技術のハブ的DB、他機関とのリンクも拡大へ
2009.12.03−独立行政法人・科学技術振興機構(JST)がインターネットで提供している無料サービス「日化辞Web」と「化学物質リンクセンター」(プロトタイプ版)、「科学技術総合リンクセンター『J-GLOBAL』(試行版)」の利用者が順調に拡大している。物質や材料に関する幅広い知識を得るための“ハブ”的なデータベースとしてさらに有益な存在となるため、収録される情報量の拡大に継続的に取り組んでいく。
J-GLOBALは、今年3月末にスタートした新サービス。研究者、文献、特許、研究課題、大学・研究所、科学技術用語、化学物質、遺伝子、資料といった基本情報を相互に関連付けており、関連情報間をリンクをたどりながら探索することで、異分野の情報をつないでひらめきを得ることが可能。また、さらに詳しい情報を知るために有益な他サイトも案内される。
4月以降で延べ320万人が利用しており、ページビューも非常に高い水準を保っている。12月中には文献および特許情報を強化し、ともに1993年までさかのぼって情報を調べられるようにする。また、ウェブAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を公開し、外部のサービスとのさらに高度な連携を実現する考え。関連精度の向上、操作性の改良なども図り、本格版へのステップアップを目指す。
一方、化学物質リンクセンターは、JSTのほか独立行政法人・産業技術総合研究所、独立行政法人・物質・材料研究機構、神奈川県環境科学センター、国立医薬品食品衛生研究所のデータベースにリンクを張り巡らせたもので、再検索なしに広く物質情報を集めることができる。
とくに、JSTの日本化学物質辞書「日化辞Web」は約275万件の情報量(毎月約1万件を追加)を誇り、4月以降はJ-GLOBAL経由のアクセスも増えているという。