2009年冬CCS特集:オープンアイ・サイエンティフィック・ソフトウエア

直販体制移行で国内市場拡大、日本法人のスタッフ増員も

 2009.12.03−米オープンアイ・サイエンティフィック・ソフトウエアは、日本での事業を代理店経由から直販体制に切り替えて1年が経過した。移行はスムーズに進み、新規ユーザーの獲得にも成功。国内の事業基盤をさらに固めるため、来年は日本法人のスタッフ増員も図っていく。

 同社は、昨年10月に日本法人を設立したが、これは米国からの直接販売・直接サポートを支援するのが役割となっている。ユーザーとの取り引きはドル建てになるため、今年の円高基調はユーザー側にとってメリットに働いたようだ。

 日本法人は今後も支援役に徹するが、オープンアイ全体の売り上げが前年比で1.6倍増という好調な推移をみせているなか、日本市場の成長ペースを全体に合わせるためにはさらなる積極的な投資が求められるところだろう。

 その1つの策がスタッフ増員で、セールスエンジニアと技術サポートを新たに採用することにしている。国内のサービスレベルを向上させて顧客満足度を高めていく。もう1つは、分子モデリングやインフォマティクス技術に関するオープンコンファレンスの開催。欧米で行われているユーザーフォーラムを参考にしつつ、既存ユーザー以外も気軽に参加できる場にしたいという。来年の夏の開催を目標に準備を始めている。

 一方、製品面では、リガンドベースドラッグデザイン(LBDD)ならびにストラクチャーベースドラッグデザイン(SBDD)のための多種類のアプリケーションやツールキットを揃えている。最近では、フィンガープリント計算の「GraphSim」、物性計算の「MolProp」といったツールキットが新製品として提供開始された。

 今後はSBDD分野の充実を図る方針で、たん白質のアクティブサイトを解析して創薬に結びつける新しいソフトウエアの開発が進んでいるということだ。