CTCLSが三菱化学メディエンスから安全性試験支援システムを受注
英インステムのパッケージ利用、システム統一で2拠点へ導入
2009.12.22−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、臨床検査事業などを手がける三菱化学メディエンスから医薬品開発のための安全性試験支援システムを受注した。これは英インステムが開発したパッケージソフト「Provantis」を基盤にしたソリューションで、グローバルスタンダードに対応していることが特徴。鹿島事業所と熊本事業所の2ヵ所に導入され、2011年5月からGLP(医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準)対応にて運用が開始される予定となっている。
三菱化学メディエンスは、分散した拠点間のシステムを統一することで品質の向上やシステム運用におけるコスト削減を検討。また、主要顧客である国内製薬企業の海外進出の加速にともない、米食品医薬品局(FDA)の電子記録および電子署名に関する法令“21CFRパート11”に対応したシステムの導入が急務になっていたという。
今回採用された「Provantis」は、世界の先進企業で実証されたベストプラクティスに基づく安全性試験支援システムで、実際にFDA査察にパスした実績を持っている。とくに、高度な専門技術が要求される“がん原性試験”に対応できる所見辞書や、解剖時のコンピューターへの直接入力など病理検査における操作性の高さなどが高く評価された。
また、インディゴ(本社・東京都世田谷区、伊藤彰浩社長)が開発したドキュメント管理ソリューション「InfoDyne」を組み合わせることにより、Provantisとマイクロソフトオフィスがシームレスに連携して、試験依頼案件ごとに顧客からのきめ細かな帳票カスタマイズ要求に自由に応じられるようにしたことも今回の受注の大きな要素になったということだ。
Provantis自体の機能としては、被験物質の受け取りから最終報告書の作成まで、医薬品安全性試験において発生するすべてのニーズを解決するすることが可能。14ヵ国80社/110サイト以上のCRO(医薬品開発業務受託機関)、医薬・農薬メーカーで利用されている。CTCLSは2004年に独占販売権を取得しているが、今年4月からは専任の技術部隊を設置し、積極的な販売拡大に乗り出していた。