インフォコムが英ドットマティクスのケムインフォ製品群
ウェブベースのデータ視覚化ツールなど、研究の意思決定を支援
2009.10.24−インフォコムは23日、英ドットマティクス社(スティーブ・ギャラハーCEO)が開発した「完全ウェブ対応型データ視覚化ツール」を発売すると発表した。創薬・化学分野の研究者向けにデザインされており、化合物データベースの構築・検索・登録、研究データの視覚化とデータマイニング、研究情報の共有など、ケムインフォマティクス領域の統合ソフトとしての基本的な機能も備えている。ウェブベースで使い易いことに加え、低価格で導入できることも武器になるという。
ドットマティクス社は、欧米の大手製薬会社の研究者が独立して、2005年に設立したベンダー。エンタープライズクラスのスイート製品を提供しており、具体的にはデータベースクエリー作成・視覚化ツールの「Browser」、化合物データベースのためのオラクルカートリッジ「Pinpoint」、プロジェクトレベルでの情報共有を実現する「Gateway」、SDファイルやエクセルファイルからデータ取り込み・マッピングを行う「Nucleus」、ウェブベースでの化合物登録ツール「Register」、大量データを自在に解析できる意思決定支援視覚化ツール「Vortex」−といったプログラムで構成される。
とくに注目されているのが「Vortex」で、多種多様なデータソースからデータ抽出したり、データを統合して解析したりすることが容易。これらがウェブ環境で視覚的に行えるため、創薬にかかわる化学者や生物学者らにとって強力な意思決定支援ツールになるという。
市場においては、ティブコソフトウェアが開発している「Spotfire」が最大の競合製品になるようだ。インフォコムでは、まずは11月17日に東京で製品紹介セミナー(http://www.infocom.co.jp/bio/news.html#seminardotm)を開催し、ウェブベースの使い易さなどを訴えていく。