ジーンデータがバイオマーカー探索ソリューションを国内市場で強化

オーミクス分野で普及拡大へ、3月にも最新バージョン

 2010.01.09−スイスのバイオ系ソフトベンダーの日本法人であるジーンデータは、プロテオミクスやメタボロミクスなどの網羅的な研究を支援する統合ソリューションについて、国内での事業展開を加速させる。この製品は、バイオマーカー探索のための大量データを統合・管理・解析する一連の機能を備えた「Genedata Expressionist」(ジーンデータ・エクスプレッショニスト)で、欧米では実際の臨床データを用いた大規模な研究が拡大している。3月には次期バージョン6.0を投入する予定で、欧米での実績をテコに国内でもさらなる浸透を図る。

 「エクスプレッショニスト」の最新版は昨年10月にリリースしたバージョン5.3。アフィメトリックスのマイクロアレイに対応したゲノミクス解析ソリューションとして普及したが、欧米ではそちらの需要は一巡し、トランスクリプトミクス、プロテオミクス、メタボロミクスなどの“オーミクス”分野での導入が活発化している。

 3月に提供予定の次期バージョン6.0では、統計解析機能を独立したソフトとし、一般の生物・化学研究者にも使いやすくするほか、遺伝子発現解析の画像データの数値化、質量分析スペクトル(波形データ)のアラインメントと解析など、実験装置との連携を強化。さらに、次世代シーケンサーへの対応も欧米の大手ユーザーとの共同で開発・評価中であり、秋にはリリースできる予定。

 基本的にサーバーソリューションであるため、大量データの取り扱いや高速計算において、他のソフトを大きく上回る性能を持つ。がんなどのバイオマーカー探索のほか、今後はトキシコゲノミクス領域での応用も期待されるという。

 国内ではすでに、遺伝子発現解析で中外製薬やアスビオファーマ、プロテオミクス解析では東京大学や理化学研究所などに導入実績があるが、今年以降戦略商品としてさらなる普及を目指していく。