米シミックスが事業再構築・受託事業を分離

ソフト専業として発展目指す、フリースレート社が独立

 2010.03.05−米シミックス・テクノロジーズは2日、ハイスループット実験のための技術や装置、受託研究サービスなどを提供している“Symyx HPR”事業部門の分離・別会社化を正式に完了したと発表した。独立した新会社の名称は「フリースレート」(FreeSlate)で、HPR部門の社長だったジョン・セナルディ(Jhon Senaldi)氏がCEOに就任している。これは、2月11日付の決算発表に際して明らかにしていた計画で、今後シミックスはソフトウエア専門のベンダーとして、電子実験ノートブックなどの成長事業を中心にさらなる発展を目指すことになる。

 シミックスは1995年の設立で、HPR関連は設立当時からの基幹事業だった。その後、ソフトウエア企業を段階的に買収し、2007年10月のMDLインフォメーションシステムズ買収を経てソフトウエア事業を拡大。“Symyx Software”と“Symyx HPR”を両輪とする事業体制を構築してきていた。

 2009年度(1月〜12月)の売り上げは、Symyx Softwareが前年比6%減の8,860万7,000ドル、Symyx HPRが同4.7%減の6,183万9,000ドル。全社トータルでの通期の損失は113万8,000ドルだったが、その中にはHPR関連の受託事業での200万ドルの損失、およびHPR事業売却にともなう170万ドルのリストラ費用が含まれている。

 また、シミックスはフリースレートに対して約860万ドルの運転資金を現金で提供し、その見返りとして1,000万ドルの手形と約19.5%に相当する普通株を受け取ったという。

 今回の事業再構築により、買収したMDLの部分が本業として残ったかたちとなるが、今後どのように成長戦略を描いていくか注目される。